巨人・丸佳浩が逆襲のキーマン 他球団から「ヘルナンデスと12球団最強の一、二番」
「技術の引き出しが多い」
安打を打つだけでなく、選球眼も良いため四球で出塁してチャンスメークする。32四球はリーグ2位。通算1034四球はNPB歴代15位で現役最多だ。6月1日の西武戦(ベルーナ)では6回に中前打で出塁すると、岡本和の左犠飛で本塁に生還して史上47人目の通算1000得点を達成。記念のボードを受け取った。 他球団の首脳陣は、「技術の引き出しが多い選手。昨年は珍しく苦しんでいたが、体調が万全でなかったことが大きかったと思う。コンディションさえ整えれば今の活躍に驚きはありません。出塁するだけでなく、甘く入ったら一発もあるので投手は初回の先頭打者から息が抜けない。ヘルナンデスとの一、二番コンビは12球団最強なのでは。打ち出すと止まらなくなるので、チャンスメークさせないようにしないと」と警戒を強める。
「1人5連覇」を達成した優勝請負人
丸にとって阿部監督は憧れの存在だ。千葉県勝浦市で過ごした小学生のときにソフトボールチームに所属。「当時は左打ちの捕手で、主将だったので(背番号)10番だった。ぴったりはまるなということで、阿部さんのリストバンドを着けて試合をしていた」と振り返る。同じ千葉県出身で左の強打者。18年オフに広島からFA移籍した際は、チームメートだった阿部監督の打撃練習を食い入るように見つめる姿があった。指揮官の期待は大きい。「体は丈夫だし、練習はいっぱいする。もうあと(ひと花ではなく)ふた花ぐらい咲かせてほしい」とハッパをかけていた。 チームメートだけでなく、他球団の同学年の選手たちも奮闘している。菊池涼介、田中広輔(ともに広島)、中田翔(中日)はかつてチームメートだっただけに良い刺激になっているだろう。丸は「当然レギュラーでまた出たい。またやってやるぞと挑戦するような気持ち。子どものころにあこがれていた人を胴上げしたい」と闘志を燃やしている。広島で16年から球団史上初となるリーグ3連覇の立役者となり、巨人に移籍後も中心選手として19年からの連覇に大きく貢献。「1人5連覇」を達成した優勝請負人は、阿部監督やナインと歓喜の瞬間を味わうためにダイヤモンドを疾走する。 写真=BBM
週刊ベースボール