「能登の酒を止めるな!」を合言葉に 業界の絆で作る日本酒が完成
地震で被災した石川県内の酒蔵が、全国の酒蔵とタッグを組み、酒造りを行うプロジェクトが進められています。合言葉は「能登の酒を止めるな」です。 【写真を見る】「能登の酒を止めるな!」を合言葉に 業界の絆で作る日本酒が完成 杜氏たちの絆で生まれたオリジナルの1本が、7日お披露目されました。 元日の地震では、奥能登にある11の酒蔵すべてが被害を受け、いまだ元の場所で酒造りを再開できない状態が続いています。 日本4大杜氏の一つ「能登杜氏」が長年、守り続けてきた銘柄が存続の危機にさらされる中、白山市の吉田酒造店をはじめとする全国5つの酒蔵と能登の酒蔵がタッグを組んだプロジェクトが始動しました。 プロジェクトリーダー・吉田酒造店・吉田泰之さん「どうしても石川の酒蔵だとずっと支援していくには負担も大きい。全国の酒蔵に協力をお願いし、能登の蔵に変わって全国で委託醸造を行った」 輪島市と能登町にある5つの酒蔵の杜氏たちは、4月ごろから、群馬県や長崎県の酒蔵で、互いのノウハウを共有しながら酒造りを再開させました。 数馬酒造(能登町)・数馬嘉一郎さん「(契約農家から)何としても来年もコメを作るからという力強い言葉をもらった。われわれが酒造りを止めることは農業を止めることにもつながる」 本来の味をできる限り再現したものに加え、それぞれ製法の異なる酒蔵がコラボして作り上げたオリジナルの1本も完成。 プロジェクトリーダー・吉田酒造店・吉田泰之さん「お互いに技術交流をしたり、石川の文化を県外に表現することで、いろいろな技を教えてもらえるので進化した能登の酒が出てくるのでは」 業界の絆で生まれた日本酒で、復興への一歩を。 完成した日本酒は県内外の店で今後、販売されるということです。
北陸放送