『OUT』品川ヒロシ監督最新作、王道をいくヤンキー映画
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1146回】 シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。 今回は、現在公開中の『OUT』と『花腐し』をご紹介します。
映画館で観たい!『OUT』 ~大ヒット映画『ドロップ』の後日譚が映画に……
2009年、自身の手で映画化して大ヒットを記録した、品川ヒロシによる小説「ドロップ」。その後日譚を描いた実録不良漫画「OUT」が、待望の実写映画となりました。 監督・脚本を務めたのは、もちろん品川ヒロシ監督。自身の大出世作『ドロップ』にも登場する井口達也の青春ストーリーが、鮮やかに動き出します。
『OUT』のあらすじ
かつては“狛江の狂犬”と呼ばれ、周囲のヤンキーたちから恐れられていた伝説の不良、井口達也。少年院から出所した彼は地元を離れ、西千葉で焼肉店を営む叔父夫婦のもとへ身を寄せて、更生を目指すこととなる。 保護観察中の身ゆえ、ケンカをすれば一発でアウト。少年院に逆戻りだ。しかし、何と出所当日に、千葉の暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・安倍要と、タイマンでケンカしてしまう羽目に。 ケンカには勝ったものの少年院に戻りたくない達也と、達也に負けたことを誰にも知られたくない要。このことを2人だけの秘密にするうちに、やがて彼らの間には不思議な絆が生まれてきて……。
『OUT』のみどころ
主人公・井口達也を演じたのは、倉悠貴。文字どおり体当たりの演技で、伝説の不良を体現しています。 共演には醍醐虎汰朗、水上恒司、JO1の與那城奨、大平祥生、金城碧海など、今後、映画・ドラマでの活躍が期待される大注目の若手俳優たちが集結。クセ強キャラを生き生きと演じる、そのガチンコ演技バトルは必見です。 また、ヤンキー映画において重要になってくるのが、ヒロインの存在。本作には、ヤンキーたちも一目置く皆川千紘という女性が登場しますが、演じたのは乃木坂46の与田祐希。男臭い不良の世界で、紅一点。チャーミングなだけではない、彼女の新たな魅力が開花しています。 さらに、じろう(シソンヌ)、大悟(千鳥)、品川ヒロシ監督の相方・庄司智春といった芸人たちが、“いい味を出している”のも見逃せませんよ。