稲見萌寧、古江彩佳…米ツアーの“後輩”をどう見る?/畑岡奈紗 単独インタビュー(後編)
畑岡奈紗にとって8年目の米ツアーが、22日開幕の「ホンダLPGAタイランド」(サイアムCC オールドコース)から本格化する。悲願の優勝を目指す5大メジャーはもちろん、8月「パリ五輪」も控えるシーズン。単独インタビュー後編では昨季の象徴的な戦いを振り返りつつ、今年9人に増えた日本勢への“意識”も明かした。(聞き手・構成/亀山泰宏) 【画像】畑岡奈紗 フロリダのサンセットをバックに
「普段はならない」感情
単独首位でラスト18ホールを迎えた「全米女子オープン」でも、やはり最終日最終組を回った「アムンディ エビアン選手権」でもない。2023年のメジャーで最も悔しさがあふれたのは、「AIG女子オープン」(全英女子)だった。「確かにそうですね。あんまり普段そういう感情にはならなかったんですけど…」。ホールアウト後の瞳がうるんでいた。 首位と5打差から出た日曜日、ポイントになったホールを思い返せば自然と早口になる。「14番、あれがもう、メチャクチャ悔しくて。あの“2打”がなければ、もっと詰められたっていうのと、ティショットですごく迷ったんです。ドライバーを握るか、4番アイアンで刻むか…。(迷った末に)ああいう選択をしてしまったことが、やっぱり悔しかった」
14番は警戒していたパー4。フェアウェイで口を開けるポットバンカーが悩ましく、その左サイドを狙っても、入れた瞬間に“出すだけ”となるヘザーが近い。畑岡も3日目に打ち込んでボギーを喫したエリアとあって、ペナルティのような認識だった。
バーディ欲しくて“ダボ”
結局1Wを握り、左を通そうとしたショットがバンカーにつかまった。セカンドで横にレイアップを強いられてダブルボギー。結果論ではなく、事前の備えをゲームで徹底しきれなかった自分が許せない。 「ドライバーで打っちゃうと、どうしても入り方が悪くて、ポットバンカーのふちに(近いところまで)行くんですよ。4番アイアンだったら、たとえ入ってしまっても、まだ打てる。バンカーの手前の方なので。練習でそれ(シミュレーション)をやっていたのに、実際に試合になったら、バーディ欲しさに(1Wで)打ってしまったことが悔しかった」