三重・松阪初、児童家庭支援センターを開設 みどり自由学園
子供に関する悩み何でも
松阪地区初の児童家庭支援センターが1日、三重県松阪市内五曲町に開設された。社会福祉法人みどり自由学園(本部=津市、堀川恒樹理事長)が運営する児童家庭支援センターよいほ(伊藤敬太郎センター長)で、児童福祉法に基づき、市町や児童相談所、学校などとも連携しながら保護の必要な児童・家族の相談支援や居場所提供を行う。
児童家庭支援センターは1997(平成9)年の児童福祉法改正によって誕生した地域相談機関。全国に約170施設あり、県内ではよいほが7施設目。児童相談所を介して入所する児童養護施設と違い、「在宅支援」の観点から子供に関する悩みを聞き、地域で支えていく。 よいほでは▶相談支援(電話、来所、訪問)▶児童育成支援拠点(児童養護施設を退所した児童などに居場所を提供し生活支援などを実施)▶子育て短期支援事業(保護者の通院などで児童の宿泊が必要になったときなどのショートステイ)▶親子関係形成支援事業(ペアレントトレーニング)──の4事業を実施。このうち児童育成支援拠点と親子関係形成支援事業の二つは、市の委託事業として行う。 この日は午前11時から開所式があり、堀川理事長(65)と伊藤センター長(46)、同法人本園(津市)の中野智行施設長(52)、来賓の竹上真人市長、施工を請け負った丸亀産業㈱の竹上景太代表取締役社長(42)の5人でテープカット。 堀川理事長は「みどり自由学園は津市に本園を置き『子供は社会の力』をモットーに約70年にわたって児童養護施設を営み、児童の健全育成と自立支援に取り組んでいます」などとあいさつ。 竹上市長は「きょう松阪市も(市健康センターはるる内に)こども家庭センターが発足します。子供の支援は世間に知らしめていいか悪いかというところもあって、われわれもデリケートに扱っている。その子たちがいずれきちんと社会に巣立っていけば、こんなありがたいことはない。ワンクッション置かなければいけないことも多く、よいほは、まさしくそのための施設と思う」と祝辞で感謝の思いを述べた。 児童家庭支援センターよいほは、敷地面積361平方メートル、木造平屋106平方メートルで、施工費8800万円のうち4115万円を日本財団補助金で賄った。 屋内には遊んだり食事したりするプレイルームを中心に、相談室や浴室・洗面所などがある。居室も1部屋設けてあるが、ショートステイのときは津の児童養護施設(本園)を使う予定。 スタッフは伊藤センター長(社会福祉士・精神保健福祉士)をはじめ、公認心理師・臨床心理士や保育士ら5人の専門職がいる。 センターを利用するには、市から紹介されることもあるが、直接電話してもいい。TEL 0598(26)5000 へ。