「都会の子どもは体験をすることが難しい」つるの剛士が痛感した、“生きる力”を身につけるために大切な「幼少期の体験」とは
思い通りにならない“自然”を相手にする体験はすばらしい
僕自身が、山登りやキャンプ、釣り、サーフィンなど自然を相手に遊ぶことが大好きだったので、子どもたちもその“遊び”に連れ出していました。自然を相手にして遊ぶって、思い通りにならないことや予想がつかないことだらけなのでハプニングも多いのですが、その分とてもおもしろいんです。 大人も子ども夢中になるゲームって、おもしろいけれど人間が作り出したものなので、予想ができるし、マニュアル通りに進めることもできるでしょう? でも、自然相手にはそうはいかないです。環境や条件が違う中でその都度対処したり、失敗したりすることを“楽しんでいく”遊び。だから、そこには悩んで考えて、工夫も必要になるし、独自の楽しみ方を見出すこともできるんです。そうやって、五感を駆使しながら自然を相手にする体験は、子どもたちの脳の発達にとてもよい刺激となり、成長にもつながっていくと思います。 いわママ:私もキャンプに出かけたときに、子どもがおもちゃもないところで「遊び」を考案して夢中になっている姿を見ると、とてもいい刺激だなと感じます。子どもって、何もないところから遊びを見つけたり、楽しみ方を工夫したりする能力が備わっていますよね。だから、時々自然の中に放って、潜在能力を刺激するのって必要なんだと思います。
都会の子どもたちが経験しづらいこと
つるの:特に都会の子どもたちは、整った“キレイ”なところで生活しているので、いろいろな体験をすることが難しいですものね。 毎日整備された道路を歩いているので、でこぼこな砂利道が怖くて歩けないという子どももいると聞きます。また、一年中エアコンで、温度も湿度も調整された快適な空間で生活を送っているので、気温に合わせて上着を脱ぎ着して対応するということも、わざわざ体験しないと身につけることができないでしょう。魚だって、スーパーで捌かれた状態のものしか見たことがなかったり、ボタンをポチッと押すだけで火がついたり、水が出てきたりする便利な生活の中では知ることができないことが、自然体験にはあると思います。 いわママ:つるのさんご自身が、勉強以外で子どもの頃からやっていてよかったと思うことは何かありますか? つるの:僕自身は、ほぼほぼ「机に向かってする勉強」以外の体験や、自然と関わる中で培われてきた力で“作られている”と思いますよ(笑)。現在大学で「机上の学び」をしていますけれど、「自然の中での学び」も継続中。大好きなサーフィンをしているときには、全く同じ波に出会うことがないので、その日、その波にその都度学びを得ている感じがします。自然は操ることができないし、都合よく相手になってくれないので、五感を研ぎ澄ましながら対峙しなければならないところがあって、緊張感もある。だからこそ楽しいし、刺激を受けるのだと思います。 いわママ:つるのさんを見ていると、自然相手の体験って本当に「生きる力」を身につけさせてくれるものなのだなと強く感じます。また、5人のお子さまたちがそれぞれやりたいことを見つけながら、スクスクと育っている姿をSNSなどで拝見していると、つるのさんは「図らずも」とお話をされていましたが、そういった自然遊びや体験をさせてあげていたことは、とても大切なことだったのだろうと思います。 ぜひ、子どもたちには多くの自然体験をさせてあげたいなと思いました。