「やっと取れたんだな」と喜びをかみしめた村上、「課題はまだまだある」と謙虚な山下――2023新人王の2人が今季を総括!
11月28日、都内でNPB AWARDSの表彰式が行われ、最優秀新人賞に村上頌樹(阪神)と山下舜平大(オリックス)が選出された。 セ・リーグでは、大卒3年目にして大きく飛躍し、最優秀防御率のタイトルを獲得して阪神38年ぶりの日本一に大きく貢献した村上が新人王に輝いた。 「チャンスはあるかなと思っていたので、やっと取れたんだなという感じ」 受賞の感想を問われた村上は、ブレイクした今季の手応えを感じさせるコメントで答えた。1月の青柳晃洋との自主トレできっかけをつかみ、自らも「一番印象に残っている」という4月12日の対巨人戦初先発での7回完全投球から快進撃が始まった。 有効投票数306票のうち、285票もの圧倒的支持を得た。2位は同じく日本一に貢献したチームメイトの森下翔太(10票)で、彼から「3年目やからええやろ。1年目に譲れ!」と言われたエピソードを交えながらも、受賞の喜びをかみしめていた。 一方、高卒3年目、一軍初登板が開幕戦というマウンドから始まった山下は、新人王を「シーズンが始まった段階では意識していなかった」という。 惜しくも2ケタ勝利こそ逃したが、16先発で防御率1.61、投球回(95イニング)を上回る101三振を奪う好投を披露しても、「自分だけの力ではできなかった」とあくまで謙虚なコメント。故障もあって8月以降はシーズンで投げられなかったことを踏まえてか、「課題はたくさんあるが、一年通して投げるというのは先発投手の役割だと思うので、そこは特に大きな課題かなと思う」と、今季を振り返った。 来季の目標は「最優秀防御率」。新人王を受賞してもあくまで来季の飛躍を誓っていた。 構成●SLUGGER編集部