【tuned by STI】オジサン瞬殺。スバリスト垂涎のWRXマニュアルトランスミッション仕様車をスバルは最後まで日本で売らないのか考えた結果…
さて、前出の「tuned by STI」ですが、ワイの記憶が確かなら2005年のレガシィB4の限定車だったと思います。そのコンセプトは文字通り「フィーリングを調律(チューニング)する」という意味であり、ブレンボのブレーキとかピロボールのサスペンションとか、スバルファンが喜びそうな装備を満載。マニア垂涎の1台でした。
どうせWRXのフラッグシップモデル作るなら「tuned by STI」として統一すればいいものの、日本には設定がありません。2025年モデルの詳細見るとブレンボの6ポッドキャリパーとかレカロシートなど内外装も特別仕立てであり、ドライバーがヘルメット被ると天井につかえるからとサンルーフを設定しないなど、じつに潔い仕上がり。日本から見ればじつにうらやましい限りなのです。
まあ重箱の隅をつつくようなハナシしても仕方ないのですが(今回で3回目)、パンデミックな3年間があったにせよ、戦略的にも後手後手の印象しかありません。
また、昨年のモビリティショーにしてもモリゾウさんから「水平対向エンジンをベースにした提案があってもいいよね」といわれる始末で、間もなく登場する新型フォレスターにしても1年遅いんじゃないの? と思う次第。
2024年前半戦の国内販売台数見てもインプレッサとレヴォーグがそれぞれ1万4000台以上登録あるのに売れ筋のSUVであるフォレスターは9365台と1万台にも届いていないのです。ちなみにこの3台は国内ベスト50にランキングされ、25位、27位、32位という順位。この3台でしっかり稼がないと2030年を通過できても2050年には会社が亡くなります。
WRXは商売というより、スバルブランドのイメージリーダー。その証左は毎年挑戦するニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦が示す通り。スポーツカーという存在はブランドの彩ですから。
問題の本質がどこにあるのかわかりませんが、ないならまだしも、作っているのですからWRXのMT仕様をスバルは日本で売るべきなのです。パワートレインがどうあれ、今後登場する新規車種にもきっといい影響を及ぼすでしょう。ではまた! Text:Seiichi Norishige
教重 誠一