「断じてストーカーではない!」休日の過ごし方や体を洗う順番も知ってる「これは純愛」重すぎる愛とちょろい彼女の秘密【漫画家に聞く】
クラスメイトの天川美空が好きな和見正。好きが強すぎて、誕生日や血液型、好きな食べ物、嫌いな食べ物、趣味などを調べ上げた。ほかにも、SNSの更新頻度や会話の盗み聞き、休日の過ごし方や体を洗う順番など、やりすぎなくらい彼女のことを調べ上げている。人はそれを「ストーカー」というが、和見にとっては「純愛」だった。少し重い愛を抱えた和見は、放課後に彼女の秘密を知ってしまうが――?今回はホンノシオリ(@honn_noshiori)さんの創作漫画「ストーカー男が好きな女の子の秘密を知る話」を紹介するとともに、創作の裏側やこだわりについてインタビューを行った。 【漫画】本編をイッキ読みする ■彼女の秘密を知っても揺らがない!主人公の重すぎる愛(?)にしだいに感化されていく 本作はXで2.3万のいいねが付き、読者からは「尊い」「2人の掛け合いがいい」「ストーカーもここまで行くと凄い」などの声があがっている。一体どんな設定なのだろうか? 「誤解を招かぬように言っておくが、断じてストーカーではない!」と言い切るのが、主人公の和見正。どんな彼女でも愛し抜く、強い想いを抱えている。休日の過ごし方や体を洗う順番などを知っているがストーカーではないと言い切るのは、見ているだけで彼女に危害を与えていないからだ。 自分なりのルールで、純愛を楽しんでいた。しかし、放課後、彼女に「なんで私のあとをつけてきてるの」と付きまといがばれてしまう。そこで、和見は彼女の隠していた秘密を知ることとなる――。 ■重すぎる愛と意外にちょろい彼女のやり取りがおもしろい! ――本作を描いたきっかけを教えてください。 本作を描いたきっかけはヤングアニマル様に読み切り企画で参加するお話をいただいたからです。何かおもしろいシチュエーションのラブコメ漫画を描けないかと考え、ストーカー主人公が好意を抱くヒロインが人ならざる者で、すれ違いコントみたいになったらおもしろそうという発想から本作を制作しました。 ――続編を描いた理由があれば教えてください。 掲載されたあとに思いのほか読者様の反応がよかったらしく、続きを描いてみないかとお話をいただき、2話分追加で描かせていただきました。読み切りのつもりで描いたものだったので、エピソードを追加してちゃんとまとめられるか不安でしたが、なんとか3話分の短編漫画の構成としてまとめられたのではないかと思います。 ――「某コーヒーメーカーのCMを彷彿とさせる」というコメントも散見しますが(笑)、いかがでしょうか。 本作をCMぐらいの尺に凝縮したら、完全に一致しますね(笑)。宇宙人を題材にしている創作物の王道ストーリーとして「いろいろ思うところあるけど、人間も捨てたもんじゃない」となるのが王道のオチになると思うので、テンプレートに沿ったうえでどこまで差別化できるかが創作するうえで一番重要になりますね。 ――コミカルで会話のテンポもよく、ときにキュン!やデレが入るあたりも読者としておもしろいのですが、ホンノさんが制作するうえでこだわったところがあれば教えてください。 こだわったところは、シリアスにさせないようにするという点です。最後の、トラックにひかれそうなヒロインをかばった主人公は死んでしまったのかと思わせて、次のページではただの寝不足が原因だったというような、最初から最後まで笑ってもらえるようにしたのは本作を作るうえのこだわりだったと思います。 ――個人的には2人のデートシーンが好きですが、ホンノさんが気に入っているシーンがあれば教えてください。 僕自身もデートシーンですね。導入が終わり本作の一番のおいしいところ(ボケとツッコミとラブコメディ)が詰まってる場面ですので、そこを気に入っていただけたならとてもうれしいです。個人的にはデートの約束をして「精々私の機嫌を取ることね」と言ったそばから遅刻してヒロインが「あんたマジで殺すわよ」とブチギレているシーンが特にお気に入りです。 ――未知の生命体については何か参考にしましたか? 具体的に何かを参考にしたというものはありませんが、前述したとおり宇宙人を題材にした創作物のテンプレートは参考にしていると思います。本作はあくまでSF漫画ではなくラブコメ漫画ですので、特に捻ったオチや驚きで勝負するのではなく、キャラクターの性質と会話で構成させていただきました。 ――読者の皆様にメッセージをお願いします。 「そういえば、またあの漫画読みたくなったな」と、たまに読み返していただければ、この上ない幸せです。昔描いた漫画であっても、感想コメントはいついただいてもうれしいものです。 取材協力:ホンノシオリ(@honn_noshiori)