推薦入試 喜びの春 合格した福島県内の高校生、夢への扉開く
東京大や福島医大医学部などの推薦入試の結果が13日、発表され、合格した県内高校生が夢への扉を開いた。防災や創薬の研究、災害医療の充実などそれぞれの目標を胸に、新たな一歩を踏み出す。 ■福島高から東大へ 大内葵衣さん、伊関佳純さん 研究の道社会貢献を 福島高3年の大内葵衣(あおい)さん(18)と伊関佳純(かずみ)さん(18)は東京大に合格した。大内さんは薬学部、伊関さんは工学部。それぞれ研究者を志している。 大内さんは小学校低学年の時、認知症を患った曽祖母を家族が介護する姿を見て、新薬の開発に力を尽くしたいと考えた。新型コロナウイルス感染症の拡大で中学校生活が制限された経験もきっかけとなった。「感染症は待ってくれない。迅速に対応できる薬を作りたい」と力を込める。 伊関さんは高校入学直後のリベラルゼミで、西日本豪雨で被災した高校生と話し、防災に問題意識を持った。同級生と「防災と環境を考える会」を立ち上げた。活動で災害時の問題は日常の問題とつながっていると気付いた。「ハード、ソフト両面を研究し、社会を変えたい」と話した。
■東日大昌平高から初の医学部合格 日向寺芽衣さん福医大へ 通院の小児科医に憧れ いわき市の東日大昌平高からは同校初となる医学部合格者が出た。福島医大医学部に合格した日向寺芽衣さん(18)は「合格できると思っていなかったので信じられない。うれしいです」とはにかんだ。 静岡県出身で小学3年生の時にいわき市に引っ越した。小さい頃から体調を崩しがちで、通っていた小児科の医師に憧れて医療の道を志すようになった。 英語が得意な一方で、苦手な物理や化学は参考書やユーチューブの投稿動画などを参考にしながら成績を伸ばしてきた。 医療のどの分野に進むのかは医大で学びながら考えを深めるつもりだという。「これからも災害は起きると思う」と災害医療に関心を持っている。「患者やその家族に寄り添える医者になりたい」と意気込んでいる。 ◇ ◇ 須賀川桐陽高でも既卒者1人が同校で初めて福島医大医学部に合格した。