中村獅童&尾上菊之助が急接近 カラオケでシャウトの応酬「シャウトされたのでシャウトで返さなければ、と」
歌舞伎俳優の中村獅童(52)、尾上菊之助(47)が8日、都内で行われた東京・歌舞伎座「十二月大歌舞伎」第一部『あらしのよるに』(12月3日~26日)の取材会を開いた。 【写真】かっこいい!『あらしのよるに』がぶ役を務める中村獅童 同名ロングセラー絵本を原作に、歌舞伎の古典演出や技法を取り入れ、オオカミのがぶとヤギのめいの種族を超えた友情を描く感動作。原作の発刊30周年を迎える今年、12月の歌舞伎座で再び『あらしのよるに』の上演が決定した。2015年の初演から、がぶ役を勤めてきた獅童、めい役を初役で勤める菊之助を中心に、絵本の世界を最大限に表現する。 2023年に上演された人気ゲーム『ファイナルファンタジーX』を歌舞伎化した『新作歌舞伎 ファイナルファンタジーX』で菊之助と獅童は約10年ぶりに共演した。獅童は「(初演でめい役を勤めた尾上)松也さんの時もそうだったんですけど、やはり女形の経験がある方で、やっぱり菊之助さんは、女形の修行ももちろんですけど、立役もおやりになりますし、菊之助さんにぜひやっていただきたいということで。菊之助さんが作った『ファイナルファンタジー』という作品に私が出演させていただいた時に、ちらっと『あらしのよるに』のお話をさせていただいて、快く引き受けてくださった。大変心強くも、ありがたく思います。うれしいです」と笑顔で語った。 獅童は「今まで『ファイナルファンタジー』の共演までは10年近くご一緒することもなかった。ここに来て、この間の6月も共演させていただきましたし」と関係値が深まったそう。その後、食事やお茶を重ねたそうで獅童は「10年も共演してなかったのかと思うぐらい、急接近した」と笑う。「これからの歌舞伎界について、いろいろなお話をきっちりしてみたいと思った。いいお話もできた」という硬めの話題だけでなく、「一緒にカラオケもやりました。それを見ていたお弟子さんか誰かが『あんなに楽しそうにしている菊之助さんを久しぶりに見ました』と言われた。それはうれしかった。こんな僕にも心を開いてくれたんだ、と」とにやり。 思わぬ暴露に菊之助は「大阪ではカラオケで弾けました」と照れながら認めた。生バンドで演奏してくれるカラオケ店だったそう。菊之助は世良公則を歌ったそうで、獅童は「菊之助さんにシャウト系のイメージが全くなかった。いいものを見させていただきました」とすると、菊之助は「獅童さんがクレイジーケンバンドの『タイガー&ドラゴン』を歌ったんです。そこでシャウトされたのでシャウトで返さなければ、と思いまして」と意外な一面がちらりを見えていた。 ■『あらしのよるに』 ある嵐の夜、真っ暗闇の山小屋で偶然出会った狼のがぶと山羊のめい。2匹は、お互いの素性を知らぬまま夜通し語り合い、「あらしのよるに」を合言葉に再会を誓う。嵐の過ぎ去った翌日、がぶとめいはお互いの姿を見てびっくり。がぶは山羊が大好物だが、めいが言ってくれた「友だち」という言葉がうれしく、山羊が大好物ということを隠して、2匹は友情を育んでいく。 一方、狼のぎろは自分の片耳を食いちぎった山羊に深い恨みをもっている。不思議の術を会得したおばばから片耳が元に戻る方法を教わり、がぶと一緒にいるめいを襲うが、がぶはめいをかばって囚われの身となってしまう。めいはがぶを助けようとし、その前にぎろが立ちはだかる。そこに仲間の山羊たちが現れ、狼と山羊が入り乱れての争いに。争いの最中、がぶとめいは雪深い山の中まで逃げるが、ついにぎろたちに追い詰められ…。