【福岡ボート(サマータイム)一般】抹香雄三がデビュー初Vを達成
福岡ボートの「西日本スポーツ杯」(優勝賞金80万円)は最終日の9日、12Rで優勝戦を争い、1号艇の抹香雄三(38)=広島=がイン逃げを決めて快勝。人気を二分していた2号艇の堀本和也はトップSを決めて絶好の差し展開になったが、ターンミスで失速して万事休す。2着は4号艇三苫晃幸、3着は6号艇馬場剛で、3連単は中穴配当での決着に終わった。抹香はこれが通算11回目の優出で、うれしいデビュー初Vとなった。
■ヒーロー 夢のゴールを駆け抜けた。大潮の干潮水面で迎えた優勝戦。絶好枠でインに陣取った抹香雄三は、2コースでゼロ台のトップSを決めてきた堀本和也に、Sで先行される苦しい隊形になったが何とかイン先マイに成功。4コースから全速戦で肉薄してきた同期の三苫晃幸の攻めも封じ切り、悲願のデビュー初Vを決めてみせた。 V大本命のシリーズリーダー永田啓二が準優で敗れて巡ってきたV戦のポールポジション。優勝戦1号艇はこれが初体験で、「9R終了後のS特訓の辺りからすごく緊張していました」と大きなプレッシャーを感じていた。まさに生みの苦しみを味わったが、「とにかく全速でターンしよう」と最後の最後に開き直れたことで自らの新たな扉が開かれた。 今期(昨年11月~)は今節の活躍もあって、現在勝率は5.93と10期ぶりのA2復帰が確実。この好調の要因は〝基本に立ち返る〟ことだったと話す。「ずっとB級暮らしが続いていたので、今期は基本をしっかりやろうと普段の取り組みから変えました。それがいい結果につながっていますね」 真摯(しんし)に仕事に取り組んだご褒美が、このデビュー初V。「選手になったら一度はやってみたいと思っていたけど、めちゃくちゃうれしい。この感覚はクセになりそう(笑)」。勝利の美酒が〝次〟への推進力になったのは間違いない。「自分は大きいことは言わないタイプだけど、来期はA1を目指していきたい」。不惑を前にして踏み入れた新たな境地。再びVの喜びを味わうべく、ステップアップをもくろむ。(森 大輔)