<春はばたく>第93回センバツ注目選手紹介/3 聖地で長打、次こそ 吉野蓮三塁手(仙台育英・2年)
杜(もり)の都の「4番」がすごみを増している。この冬、重点的に取り組んできた下半身の筋力強化の成果が表れた。吉野自身も「打球がよく飛ぶようになった」と、自慢の長打力の伸びを実感している。 データを重視する須江監督は定期的に選手たちのスイングスピードを計測しているが、吉野は1月にチームトップの153キロを記録した。これは、前チームの主軸で楽天にドラフト5位で入団した入江大樹が昨夏に記録した数字と同じ。およそ半年も早い段階で憧れの先輩に追いついた事実が、その力量を物語っている。 須江監督が「長打に単打、何でもこなす」と評するようにパワーだけではない。右肩の炎症を抱えていた昨秋の公式戦は一塁手として出場し、打率4割3分3厘、11打点と、東北大会優勝の立役者となった。 今では痛みも消え、センバツでは本来の三塁手として出場する見込みだ。投手としても最速144キロを誇り「肩には自信がある」と守備でも欠かせない存在となっている。 2020年甲子園交流試合では3打数無安打と力を出し切れず、倉敷商(岡山)に敗れたが「甲子園は、すごく楽しい場所だった」。今度は勝利の楽しさを味わうつもりだ。【岸本悠】=つづく