Living in Sapporo《台湾人》黄さん後編 日本人の焼肉好きびっくり
【北海道・札幌】200万人近い人口を抱える北海道の道庁所在地・札幌。「さっぽろ雪まつり」を代表とする世界規模のイベントも開催され、多くの観光客が訪れる街だ。そこで札幌に住んでいる外国人に「札幌の魅力」を聴く「Living in Sapporo」をスタート。第9回目後編では、台湾出身でセンチュリーロイヤルホテルのロビーパーソンの黄金元(こう・きんげん)さんに札幌の魅力・札幌での夢を聞いた。 (インタビュー・構成/橋場了吾)
「さっぽろ雪まつり」の見学者の表情に驚いた
私は台湾生まれなので、雪を見たことがほとんどありません。せっかく日本に来るのであれば、台湾と一番気候が違い銀世界を楽しめる北海道・札幌へと考えていました。 2年前に大学を卒業し、1年の徴兵を経て札幌の日本語学校へ進学。憧れの真っ白な雪一面の景色には本当に感動しました。しかし、雪が溶けるときは道路が結構べちゃべちゃになるのがびっくりしました(笑)。 その札幌での生活でびっくりしたことは、まず交通のマナーが良いこと。台湾は車が優先されるので、日本で歩行者が優先されるのを見た時はかなり驚きました。また、焼き肉や焼き鳥の屋台がずらりと並んでいたのも衝撃的でした(毎年夏に開催されるすすきの祭りのことだそう)。「日本人ってこんなに焼き肉が好きなの?」って。バーベキューがこんなに人気があるのもびっくりしましたね。 そして何といっても、一番びっくりしたのは「さっぽろ雪まつり」。雪像に驚いたというよりは、雪像を見ていた人たちが幸せそうな顔をしているのにびっくりしました。私は日本のお祭りに興味があったことも日本に来た理由のひとつなので、賑やかでこんなに人を幸せにする日本の祭りにさらに興味を持ちました。
ホテルマンとして役に立つために観光案内所に通う
日本語学校を卒業してホテルマンになってからも、毎日が勉強の日々です。休みの前の日の夜に観光案内所に立ち寄り、「近日中にどんなイベントがあるのか」「今人気のお店はどこなのか」をチェックして、それらをホテルの宿泊客の皆様にお伝えできるようにしています。 その時に忘れずに割引券がついているチラシは、必ず持って来るようにしています。宿泊客の皆様にも、「こんな割引券が観光案内所で手に入りますよ」という情報をお伝えするためです。通訳になる夢はホテルマンになることで叶えたので、今はお客様のお役に立っていきたいですね。そのためにも、尊敬語・謙譲語をもっと勉強したいと思っています。 日本に来る前は「日本=忙しい」というイメージだったのですが、札幌は藻岩山など自然も多く、リラックスできる場所が多いように思います。それが札幌の魅力ですね。 今一番したいことは、登別温泉に行くことです。私が札幌にやって来て最初に旅をした登別温泉だったのですが、夜に浴衣を着て散歩したことは忘れられない思い出です。その特別な場所に、また行きたいですね。 そして、まだ親を日本に招待していないので、自分の働いているホテルに宿泊してもらえるよう現在貯金中です。おそらく親も、日本人の焼き肉好きにはびっくりするはずです。