献上品に岩井の「田中」 献上びわ選果式(千葉県)
皇室へ献上する房州びわを選ぶ「献上枇杷選果式」(房州枇杷組合連合会主催)が4日、南房総市のJA安房富浦支店で行われた。今年も連合会の8組合から、珠玉の一品が集い、栄えある天皇陛下献上品には、2年連続で、岩井枇杷組合の「田中」が選ばれた。5日に宮内庁に届けられる。 房州びわの献上は、明治42年6月20日、現在の同市富浦町南無谷の木村兼吉氏によって始められた。第二次大戦中の一時期と、平成24年の三笠宮寛仁さまの葬儀、コロナ禍の令和2、3年を除き続けている伝統で、今年で108回目を迎えた。 審査を前に、同連合会の渡邊均会長は「令和元年台風被害や、今年はカメムシ被害の多発など、生産者としても苦労が絶えないが、困難の中で努力を重ねたものが集まった。ぜひ、この一点という品物を選んでいただければ」とあいさつ。 選果式には、各組合が自信を持って出品した4Lサイズのビワ24粒が、杉の木箱に納められて並んだ。県農林総合研究センターの石井克文センター長を審査委員長に、同所職員や安房農業事務所の職員ら8人が、形や色つやなどを比較し、総合的に審査した。 石井審査委員長は「どれも優劣つけがたく、高品質に努める生産者の熱意を感じる」と講評。 岩井枇杷組合の近藤新一会長は「なかなかない2年連続で選ばれ感無量。天皇陛下にもおいしく召し上がってほしい。組合としても、これからも生産者を下支えしていきたい」と喜びを語った。 その他の審査結果は次のとおり(カッコ内は品種) ▽皇后陛下=館山市枇杷組合連合会(房光) ▽上皇陛下=鋸南枇杷組合連合会(大房) ▽上皇后陛下=八束枇杷組合(田中) ▽秋篠宮皇嗣殿下=豊岡枇杷組合(大房) ▽秋篠宮皇嗣妃殿下=南無谷枇杷組合(瑞穂) ▽千葉県知事=多田良枇杷組合(瑞穂)原岡枇杷組合(大房)