中小企業に大人気 フランス初のチャレンジャーバンク「Qonto」、ドイツ競合を買収しイタリアやスペインなどへの足がかりに 躍進の理由は?
多額の資金調達で買収、雇用に豊富な資金を投入
Qontoの共同創設者兼CEOのAlexandre Prot氏はTechCrunchのインタビューで、Qontoの躍進の背景として、2年前の資金調達をあげている。 「タイミングが正しくて、少し幸運だった」と、彼が語るこの2022年の4億8,600万ユーロの大型資金調達は、ドイツの競合Pentaの買収へと投入され、結果、Qontoはドイツやイタリアへと、大きく市場を拡大した。 続いて行われた今年のRegateの買収に加え、同社は、今後数カ月以内に数百人規模の人材を雇用し、マーケティングに大規模な投資を行う予定だとの計画を示している。
有料サービス特化で収益増加を目指す
また、QontoCEOのProt氏は、同社のビジネスモデルが「健全」であることをアピールする。 まずは無料サービスを提供して、顧客にアップセル(顧客が購入したその商品と同種でより上位のものを購入してもらうこと)を試みるスタートアップが多い中、Qontoはあえて有料サービスに特化し、顧客獲得が収益に短期間でつながるという路線を採っている。 過去2年で利益率を大幅に改善しているQontoは、「コスト削減ではなく収益増加」という方針を明確に打ち出して、2025年までに黒字達成し、欧州の100万人の中小企業やフリーランサーにとって選ばれる金融ソリューションとなることを宣言している。
文:大津陽子/ 編集:岡徳之(Livit)