チンパラガス? 異例の暑さで“規格外の野菜”…ブランド化して販売を
日テレNEWS NNN
今年の異例の暑さで野菜が変形したり、大きくなりすぎたりしたということです。収穫がおいつかずに廃棄してしまうケースもあり、農家にとっては大きな打撃ですが、そうした規格外の野菜をあえてブランド化して販売しようとする動きが今、注目されています。 ◇ 14日、東京・品川区にある青果店「旬八青果店 五反田TOC店」では、数量限定で人の顔ほどの大きな「カブ」の販売が始まりました。(14日~なくなり次第終了)この大きさにして、「1玉98円」。 自営業(40代) 「すごく安い気がします。(普通は)ちっちゃいの3つくらいで298円とか。お買い得だなと思ってうれしいです」 看護師(20代) 「珍しいので、おいしそうだなと思って買いました。だいぶ安いなと思います。漬物ときょうのおみそ汁にしようと思います。うれしいです。大きいですし、私もうれしくなっちゃう」 企画したのは有機野菜などの食品宅配サービスを行う会社です。何が訳ありなのでしょうか。 Oisix商品本部農産部 佐藤由梨部長 「今年の猛暑と暖冬の影響であまりにも生育が進みすぎてしまって、とりきれないほどになってしまった。なんとか捨てるのではなく、食べられるものは工夫して、お客様に届けることができないかなと」 廃棄されるはずだったという規格外の野菜。畑では何が起きているのでしょうか。 カブ農家 古川隆之さん 「こういうふうに大きくなっちゃう。ちょっと“規格外”だよね、完全に。きれいに普通は丸くなる。ボコって、こういうふうになってきたり」 千葉・八街市で14日、カブ農家の古川さんが見せてくれたのは、育ちすぎてしまったという「カブ」。通常、出荷するサイズと比べ3倍くらいに大きくなってしまったものもありました。 今が収穫時期ですが、今年は12月に入っても暖かい日が続いているため、規格外のものが特に多いといいます。 カブ農家 古川隆之さん 「寒さが早く来れば気温が下がるので、カブの成長止まるんだけど、まだ成長していますよ、きょう暖かいから」 さらに、育ちすぎたカブは出荷できないといいます。そのため… カブ農家 古川隆之さん 「これはもう廃棄しちゃいますね。もったいないですけどね。残念は残念、やっぱり天気ですからね。予想外に天気が良かったっていう感じで」 このまま暖かさが続くと3割ほどが出荷できず、10トン近く廃棄することになるといいます。この農家では捨てるはずだったカブの一部を、「旬八青果店 五反田TOC店」などで販売することで廃棄をおさえたいということです。 ◇ 暖冬傾向が予想され、野菜の生育が心配されるこの冬。新潟県では規格外を逆手に、ネーミングで勝負する農園も出てきています。 地面からまっすぐ伸びずに、途中で曲がってしまった「アスパラガス」。規格外のこの野菜に… 曽我農園代表 曽我新一さん 「チンアナゴみたいなアスパラガスってことで、『チンパラガス』って名前をつけまして」 ネーミングの通り、チンアナゴのような形をしたアスパラガス。これまで安く販売していたといいますが… 曽我農園代表 曽我新一さん 「規格外だから安く売るのではなくて、あえて面白い形のものをブランド化してしまった」 実はこの農園は、過去にも甘さは良いものの黒ずんでしまったトマトを、映画スター・ウォーズのダース・ベイダーになぞらえ「闇落ちとまと」として販売し話題になりました。 アスパラガスもSNSに掲載すると反響が大きかったといいます。さらに、通常のアスパラガスと同じ価格で販売したところ、同じように売れたといいます。 曽我農園代表 曽我新一さん 「捨てるっていうのは忍びないんですよね。どうしたらみなさんに、こういう規格外が出ているのを高く買ってもらえるのか」 今後も規格外野菜が注目されそうです。