市立小中学校の再編計画の素案発表 館山(千葉県)
館山市内小中学校の再編に向けて同市教育委員会は29日、再編計画のたたき台となる素案を発表した。 現在10校ある小学校は令和9年度までに4校、14年度以降には3~4校に、現在3校ある中学校は段階的に13年度までに1校に統合する内容。今後、素案について保護者や各地区と意見交換、協議をし、来年11月の計画策定を目指している。 少子化に伴う学校の小規模化などが進む中、市教委では子どもたちにより良い教育環境を提供することを主眼に、市内全地区で組織した「学校のあり方を考える会」と再編に向けた協議、検討を重ねてきた。その結果を踏まえて、市学校再編調査検討委員会で素案をまとめた。
素案によると、小学校は8年度に船形小と那古小、房南小と神余小を統合。9年度に、北条小、館野小、九重小の3校、館山小、西岬小、豊房小の3校をそれぞれ統合するプラン。 船形小と那古小の統合小については、中学校の統合を踏まえて12年度に再度検討組織を立ち上げ、14年度以降の他校との再編の協議を行うとしている。再度の再編の有無によって同年度以降の市内の小学校数は3校か4校となる計画としている。 また、児童、保護者の選択肢として、複式ではない小規模校が必要という声もあり、房南小、神余小の統合小は、地区児童の他、市内全域から希望する児童が通える、安房地域初の「小規模特認校」とする。 中学校は、まず9年度に館山中と房南中を統合し、13年度に館山中・房南中の統合中と館山一中を統合する計画。使用校舎は館山中の新校舎で、今後の生徒数の推計や館山中新校舎の施設規模などを踏まえ、段階的な統合としている。 今後、市教委では素案について来年4月にかけて保護者らに説明して意見を聞き、その後各地区住民との意見交換、パブリックコメントなどを実施。そうした意見を踏まえて同検討委で最終協議して、来年11月に計画を策定する考えだ。 市教委によると、5年4月1日現在の市内小中学校の児童生徒数は2661人で、平成元年の6746人から約6割減少。今後の推計でも減り続け、令和20年にはさらに約4割減少する見込みだという。 現在市内10小学校のうち、クラス替えが可能な学校は、北条小、館山小、那古小の一部で、4校では、2つ以上の学年で構成される複式学級が発生する規模となっているのが現状で、6年度以降には、6校で複式学級が発生するとの予測となっている。 また、小規模校では学年で男女比の極端な偏りも生じており、小規模化による学校活動への制限、関係づくりにも影響が懸念されている。 中学校については、高校受験を見据えた学習環境や、部活動を含めた集団活動など、一定規模の学校を求める声が多かった。 市内小中学校ごとの児童生徒数は次のとおり。(5年4月1日現在)