「人は何歳になっても変われる」 一流のビジネスリーダたちがハマる“修験道体験”で得られる人間力
山へこもって厳しい修行を行うことで悟りを得たり心の乱れを静めたりする、日本独自の宗教・信仰「修験道」。 グロービスが次世代リーダーの育成を目的に2016年から始めた、経営幹部のみ参加可能なプログラム「知命社中」には、この修験道が組み込まれています。 経営幹部が修験道を体験することで得られるマインド醸成とはいったい何なのでしょうか。知命社中のプログラムディレクターの福田亮さんに聞きました。
【福田亮 AKIRA FUKUDA】 知命社中プログラムディレクター 株式会社グロービス コーポレート・ソリューション ディレクター/組織開発責任者 三井化学を経て、株式会社グロービス法人研修部門ディレクターとして人材育成に関するコンサルティング・講師などに携わった後、会社を設立(起業)するも失敗、グロービス法人部門に戻り現在は、戦略人事・組織開発のコンサルティング、経営層のメンタリング、経営幹部育成の講師などに従事している。 また、部門の戦略人事の責任者として、事業と人・組織の進化・革新をいかに結びつけるか?を実践を通じて探求している。
リーダーの意思が不確実性の高い世を生き抜く鍵
──まず「知命社中」について教えてください。 福田:知命社中は企業の経営層を対象としたプログラムです。さまざまな業界から集まった経営幹部約30名が6カ月にわたり、「経営者としての進化(アップデート)」をテーマにお互いを高め合います。
──プログラムには修験道のほかにも「対話と内観 経営者とは、自分とは」など、自己の内面を問うものが並びます。なぜ経営ノウハウや戦略、ファイナンスではなく、このような内容なのですか? 福田:不確実性の高い世界で組織や人を導くには、「自分はどうしたいのか」というリーダーの意思が重要だからです。 僕自身、2013年にコロンビア大学のシニア・エグゼクティブ・プログラムを受けたことがあるのですが、最初に問われたのは「Who are you?」でした。 同時期に他のメンバーも同様のプログラムをさまざまな学校で受けましたが、共通していたのはセルフ・アウェアネス(自分をどう認識するか)が重視されている点でした。 当時はアメリカで黒人のバラク・オバマが大統領在任中で、経営層にもマイノリティー出身者が増えつつあった頃。多様性の流れですね。時代の変化に伴って、リーダーの在り方にも変化が生じていたのです。