NPBの「感染症特例」緩い登録枠、通常体制にいつ戻すのか 選手にはメリットも…国際基準から外れる心配
【プロ野球実況中継】 今回はNPBの1軍選手枠の人数についてです。コロナ禍の影響で今季も(「コロナ特例」から「感染症特例」に呼称が変わりましたが)、1軍登録人数は通常の29人から31人に、ベンチ入りメンバーは25人から26人にそれぞれ増枠されています。 数が減ったとはいえ、感染症による抹消が散見しますから、妥当な判断と言えるかもしれません。問題はこれをいつ通常の体制に戻すのか。 コロナ前までは、1軍メンバーでベンチを外れるのは〝上がり〟の先発投手がほとんどでしたが、最近はこれに中継ぎ投手が加わるケースが増えました。ほとんどのチームが3連投をさせない方針のため、2連投の投手をベンチから外すことがあるのです。それに伴って、〝勝利の方程式〟を担う投手もパターンを複数、用意しなければならなくなりつつある。しかも相変わらず先発投手が5回前後で降板するケースは多いし、イニングをまたいで投げられる投手は限られているから、リリーフ陣の数がますます必要になっています。 日本ハムは17日のソフトバンク戦、延長12回で9投手を使いました。連戦が続いて投手が疲弊する夏場には、こうした傾向がさらに強まるでしょう。そう考えると、今の流れが続いていけば1軍の登録、ベンチ入り人数を元に戻すのは難しくなってくるのではないかと。昨春のWBCでは30人のベンチ入りが認められましたが、MLBでは登録、ベンチ入りともに通常26人です。 もちろん選手にとっては出場機会が増えて、FAに必要な登録日数も増えるのでメリットはありますが、緩い登録枠で日本が国際基準から外れやしないかという点だけが少し心配です。 (フリーアナウンサー 松本秀夫)