上戸彩さんが装う「盛夏のリゾート着物」心惹かれる着物の魅力は?意外なステージデビューのお話も
盛夏の装いは着用期間がたった2か月に限定されているからこそ、一年のなかでもっとも季節感に溢れた、特別で贅沢な装いということができます。絽や沙などの透ける生地に、夏の風物詩や秋草などを表した染めの着物から、植物の繊維を裂いた極細の糸で織り上げた自然布まで、その美しさも素材としての味わいも豊かに広がります。 今回、俳優の上戸彩さんに、盛夏の"リゾート着物"をお召しいただきました。
旅の始まりにまといたい越後上布
こちらは、着物好きならいつかは手に入れたい憧れの夏の着物、重文指定の越後上布です。苧麻を裂いて極細の糸にし、気の遠くなるような手間をかけて織り上げられた稀少性の高い一枚。 自然布特有の味わいをもつ、縞に井桁絣の着物には、明るい黄色地に朝顔の絽塩瀬のなごや帯を合わせて。旅の始まりこそ、最上級の麻織物をさらりとまとい、旅気分を盛り上げたいものです。 着物と帯/染織こうげい浜松店 帯〆/衿秀 帯あげ/渡敬 リング363,000円/ミキモト 日傘77,000円/前原光榮商店 トローリーバッグ456,500円/グッチ[グッチ クライアントサービス]
ランチ会などのお出かけに、鮮やかな緑色が目を引く紗紬地の小紋
こちらの紗紬地の小紋は、鮮やかな緑色がパッと目を引く印象的な一枚。萩や桔梗、松などの四季草花を京型友禅で総身に表した伝統的な古典模様の着物を、いまどきのカラーがフレッシュな印象に仕上げています。着物と雰囲気を揃え、カラフルな松模様が楽しい織りなごや帯を合わせて。友人とのランチ会や美術館巡りなど、ちょっとしたお出かけに最適です。 着物/きもの水流 制作/多ち花 帯/染と織 かつら 制作/夢訪庵 帯〆と帯あげ/絞彩苑種田
意外!ステージデビューのエピソードも
盛夏の着物を美しくお召しいただきましたが、「着物と小物の組み合わせの妙に心惹かれます」と上戸さん。「小物に鮮やかな色を利かせたり、旅にちなんだモチーフや夏らしい季節柄をとり入れるなど…遊び心のある楽しい着こなしが素敵ですね」 これまでお仕事で、時代劇のドラマや振袖モデルなどを務めてきたことから、着物での立ち居振る舞いや写真撮影も慣れていらっしゃる上戸さんですが、なんと最初の"ステージデビュー"は、偶然にも着物に縁があるものだったそうです。 「じつは私が小学校2年生のとき、着物のファッションショーにキッズモデルとして登場するというお友達を観に行ったところ、たまたま人数が足りず、助っ人として急遽参加することになったのです(笑)」と、キュートな笑顔で楽しいエピソードを紹介してくださいました。 うえと・あや●東京都出身。1997年に芸能界入りし、2003年、映画『あずみ』で「第27回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。ドラマ「絶対零度」シリーズ、NHK大河ドラマ「義経」ほか、出演作多数。 撮影=宮崎裕介(sept) ヘア&メイク=パク☆チャン 着付け=石山美津江 美しいキモノ2024年夏号