「開示されても捜査に支障ない」元特捜部検事の意見書を提出 公文書改ざん問題巡る裁判 赤木さん側 新たに財務大臣などの尋問請求
森友学園をめぐる決裁文書改ざん問題で、財務省が検察に提出した文書を「不開示決定」としたのは違法だとして、自殺した近畿財務局元職員の妻・赤木雅子さんが国に対し決定の取消しを求めている裁判で、赤木さん側が財務大臣らの尋問を請求しました。 【画像を見る】亡くなった赤木俊夫さんが笑顔で写真にうつる様子
財務省は『文書の存在明らかにせず』
財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)は、森友学園をめぐる決裁文書の改ざんを強いられ、2018年に自殺しました。 妻の雅子さんは「改ざんを強いられた経緯を知りたい」として、2021年8月に財務省や近畿財務局に対し、検察の捜査で任意で提出した文書を開示するよう求めましたが、財務省側は文書の存在を明らかにすらせず「不開示決定」を出しました。
1審は「将来の事件捜査に支障及ぶおそれ」と訴え棄却
その後、雅子さんは、決定の取り消しを求め、2021年10月に大阪地裁に提訴。 しかし、大阪地裁は「文書の存否を回答すれば、捜査の内容や捜査機関の関心事項を事前に推知し、それを踏まえた罪証隠滅が容易となる可能性があるなど、将来の刑事事件の捜査に支障が及ぶおそれがある」などとして、雅子さん側の訴え棄却。雅子さん側は控訴していました。
赤木さん側 財務大臣や近畿財務局長らの尋問を請求
3月27日に大阪高裁で開かれた控訴審の裁判で、赤木さん側は「不開示決定をした当時の行政機関に対し、どのような根拠・理由で開示による支障が生じるおそれがあるかを聞く必要がある」として、鈴木俊一財務大臣と当時の近畿財務局長の尋問を請求しました。
「開示されても捜査に支障ない」元特捜検事の意見書を提出
また、元東京地検検事の郷原信郎弁護士の意見書を提出。意見書では「将来の捜査手法や捜査内容が推知されるおそれがあるなどはということはあり得ない」とした上で、「証拠隠滅のおそれを捜査機関側が懸念することもない」などとして、「開示されとしても捜査に支障はない」と主張しました。 一方、国側はこの主張に対し反論する予定で次回の弁論は6月に開かれます。