長距離トラックのドライバー運転中に心筋梗塞になり死亡『平均159時間以上』の時間外労働…遺族が会社に賠償求めた裁判で和解 代理人「規制の遅れが生んだ悲劇」
長距離のトラック運転手が運転中に心筋梗塞を発症し死亡したのは長時間勤務が原因だとして、遺族が会社側を訴えた裁判で和解が成立しました。 訴えによりますと、大阪府交野市に本社を置く運送会社で、トラックの運転手をしていた男性は(当時52)2019年、広島県内でトラックを運転中、心筋梗塞を発症し死亡しました。 死亡直前の半年間、男性のひと月あたりの時間外労働は、平均159時間以上となっていて おととし9月、労基署は労災認定しています。 去年5月、男性の母親は会社側に5400万円あまりの賠償を求め、訴えを起こしていました。 母親側の代理人弁護士によりますと、11日付けで会社側が遺族らに謝罪し解決金を支払うことで和解が成立したということです。
遺族代理人「規制の遅れが生んだ悲劇」
母親の代理人・古川拓弁護士は和解について「運送業界はこれまでも過重労働が問題となってきましたが、これに対する規制の遅れが生んだ悲劇であったと考えています。今春から労働時間上限規制が運送業界にも及ぶようになりましたが、運送業者は、ドライバーの労働実態の正確な把握と低減に一層努めてほしいと思います」とコメントしています。