文化祭で小児がん患者支援の「レモネードスタンド」 福島県の郡山東高生
福島県郡山市の郡山東高の生徒有志は25日の文化祭で、レモネードの売上金を小児がん患者の支援に充てる「レモネードスタンド」を繰り広げる。乳がんの治療を経て教壇に戻った同校教諭の佐藤由香里さん(44)の呼びかけに賛同した。生徒は「がんを身近な問題として考えるきっかけにしてもらえれば」と準備に励んでいる。 佐藤さんは英語を担当し、現在は2年生の担任を務めている。胸のしこりに気づき、今年2月に乳がんの診断を受けた。ステージⅡで左胸を全摘出した。「自分の経験を生徒の人生に生かしたい」。5月に復帰して以降、闘病体験を包み隠さず伝えてきた。 佐藤さんは7月上旬、他県の高校生がレモネードスタンドを行う記事を目にした。ボランティア活動が盛んな校風でもあり、「うちの生徒なら取り組んでくれる」と期待感を抱いた。担任を受け持つクラスの生徒らに声をかけ、2年生26人が手を挙げた。 文化祭ではポスターやパネルなどで、がんについて学んだ成果を披露する。レモネードの売上金は福島医大付属病院小児腫瘍内科に贈る。
6日、同科の藁谷朋子医師を招いた勉強会を開いた。生徒は、高熱が続いて疲れやすくなるといった小児がんの特徴や、治療の進歩などを学習した。タブレットを使い、レモネードスタンドへの理解を深めてもらうポスターも制作した。 活動に参加している中村穂華さん(17)は佐藤さんの体験談が、がんを考える契機になった。「佐藤先生にもらった学びのバトンを、文化祭で多くの人につなぐ」と意気込んでいる。 ※レモネードスタンドとは レモネードの売り上げ金を小児がん患者支援に充てる社会貢献活動。がんと闘う米国の少女が、闘病する子どもたちを助けようと、自宅でレモネードを売って寄付金を集めたのが始まりとされる。取り組みは世界中に広がっている。