同仁化学研究所(熊本・益城町)、マレーシアに拠点開設へ 東南アジア初進出、試薬販売後のサポート強化
大学や研究機関で使われる試薬を開発・製造する同仁化学研究所(熊本県益城町)は9月、マレーシアの首都クアラルンプールに駐在員事務所を開設する。海外拠点としては4カ国6カ所目、東南アジアでは初めて。東南アジア諸国では今後、経済成長に伴う医療の高度化が見込まれており、新薬の研究開発などの需要の高まりに対応する。 駐在員事務所には本社から2人を派遣し、現地採用を含めた4人体制とする。これまでは現地の代理店を通して試薬を販売してきたが、拠点を設けて顧客のサポートを充実させる。需要を見極め、販売を担う現地法人の数年内の開設を視野に入れている。 同仁化学研究所は現在、米国、ドイツ、中国の3カ国に計四つの現地法人を置き、事業を展開している。 今月1日には中国国内3カ所目の拠点として、南部の広州(広東省)に支店を新設した。上海の現地法人が運営する。広州では、大学や研究機関、多国籍企業によるライフサイエンス分野の研究開発が活発化しており、営業と顧客支援を強化する。
同仁化学研究所は海外事業を伸ばす方針で、上野右一郎社長は「製品を販売した後の顧客のフォローが当社の強み。5年後に同仁化学グループの海外売上比率を5割に高めたい」と話している。(山本文子)