FOMCは金利据え置き、24年利下げ予想1回に減少-来年は4回
(ブルームバーグ): 米連邦公開市場委員会(FOMC)は、2024年の利下げ回数についてわずか1回と予想し、2025年により多くの利下げを行うとの見通しを示した。インフレ抑制のため、政策金利を高水準で長期間維持するという方針が浮き彫りとなった。3月のFOMCでは年内の利下げを3回と予想していた。
FOMC声明:2%インフレ目標に向けては緩慢なる一段の進展
FOMCは6月11-12両日に開催した定例会合で、主要政策金利を据え置くことを決定した。決定は全会一致。金利据え置きは7会合連続となる。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。
FOMC参加者の予測中央値によれば、25年に4回の利下げを予想。利下げ回数は従来予想(3回)から増えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、FOMC会合後の記者会見で「直近のインフレ指標は今年の早い時期より良好な内容で、われわれのインフレ目標に向けて緩慢なる一段の進展が見られている」と発言。その上で、「インフレ率が持続的に2%に向かっているという確信を強めるには、良好なデータをさらに目にする必要がある」と語った。
政策金利の道筋に関する当局者の見解は多様だった。公表された金利予測分布図(ドットプロット)では、年内の利下げは4人がゼロ、7人は1回、8人は2回と予想した。
会合後に発表された声明では文言を一部修正。ここ数カ月に「委員会が目指す2%のインフレ目標に向けては緩慢なる一段の進展が見られた」と記された。従来は「一段の進展は見られていない」としていた。
この文言修正は、4月と5月の物価上昇ペースが減速したことを示すデータが増えてきたことに対応したものといえる。
12日朝に発表された5月の米消費者物価指数(CPI)は、FOMCが目標とするインフレ率2%に向けた進展が再開した可能性を示唆し、市場にいくらか安心感を与える内容となった。