スーパーGT第4戦富士からGT300のサクセスウエイト上限が80kg→50kgに低減「実績がある合計重量を超過しないことを優先」
鈴鹿サーキットで行なわれるスーパーGT第3戦直前の5月30日、プロモーターのGTアソシエイションがブルテンを発行。GT300クラスに関するサクセスウエイト規則を変更し、8月の第4戦富士より運用すると明らかにした。 【動画】2024 スーパーGT第2戦富士:決勝ハイライト(GT300) 当該車両の獲得ポイントに応じて重量が搭載されるサクセスウエイト制度。今季は1ポイントあたり2kgの重量が加算される。GT300クラスはその上限値が80kgに設定されていたが、この度の改訂により50kgに改められることになった。なお、GT500クラスは上限100kgで変更はない。 規則変更の背景について、ブルテンにはこう記されている。 「安全性向上を目的とした速さの抑制のため、GT300クラスでは今季適用できる最善策として全車への追加重量を設定した上で、サクセスウェイトの換算量と上限値の低減を行ないました」 「その際にサクセスウェイトの本来の効果とのバランスを考慮して上限値を80kgに設定しましたが、昨年までに実績がある合計重量を超過しないことを優先し、上限値を50kgに変更致します」 この説明の通り、今季のスーパーGTでは安全性向上策のひとつとしてスピード抑制が図られており、GT300クラスの車両では従来のBoP重量やサクセスウエイトに加えて速度抑制用の追加重量が車両ごとに設定されている。しかしながら、追加重量の設定によって車両重量が重くなり過ぎているのではという指摘も挙がっていた。 例えばランキングトップのmuta Racing INGINGはGR86を使用しているが、同車両の第3戦鈴鹿での参加条件は、最低重量の1250kgにBoP(性能調整)重量60kg、追加重量38kgが搭載され1348kgに。これに2号車muta Racing GR86 GTは54kgのサクセスウエイトが加わる。 車両によっては重量が1400kg前後になるという現状を踏まえ、GTAはサクセスウエイトで重量超過をコントロールするという決定を下した。なお声明には速度抑制の追加重量について「今季運用できる最善策」と言及されているが、これは重量以外の面でのアプローチも検討していることの表れだと理解できる。 スーパーGTでは昨年より“タイヤワーキング”を設置してタイヤメーカーとGTAで安全対策について様々な議論が行なわれたことが明らかになっている。その議論の結果、来季からタイヤ周りの規則が変更されるという話も聞こえてきているが、これは本決まりではなく関係各所と調整中の模様で、詳細については明らかにされていない。
戎井健一郎