【インタビュー】ガレージロックの雄、ザ・ハイヴスが11年ぶりに帰還...新作に込めた想いとは?
ハワイとのコラボ計画? 「人でなく島」
ザ・ハイヴスは1997年のデビューアルバム『ベアリー・リーガル』以降、着々と実績を積んできた。黒と白の衣装、さりげないユーモア、エレクトリックなパフォーマンスがトレードマークだ。 「最初の頃はドイツとかの小さいクラブでチケットを売り切って演奏時間は30分くらい。客は怒ったよ」とデンジャラスは当時を振り返る。「今はもっと長くやる。いろんな意味で当時よりずっとましになった。大きいショーをやるほうが楽しいと思う」 「退屈なライブだけはごめんだ。変な衣装を着たり、ぶっ倒れるまで全力投球したりするのはちょっと、って連中もいるかもしれないが、俺たちは平気だ。ぶっ倒れようが、衣装が変だろうが構わない。いいバンドだ、全力投球だなって思われたい」 ただし「いいものにするには客観的に見ることも重要だ。おんぼろ車を乗り回して満足か。車ならたまにはいいが、音楽は別だ。音楽についてはジェット機でなくちゃ」。 パフォーマンスへのこだわりは、コラボした顔触れを見ても分かる。音楽プロデューサーのティンバランド、ヒップホップ・ロックグループのN.E.R.D、シンガーソングライターのシンディ・ローパー。さらにもう1人コラボしたい相手がいる。ヒップホップ・デュオのアウトキャストのラッパー、アンドレ3000だ。 デンジャラスによれば「コラボは長年の悲願」だ。「実現しかけたけど結局駄目で。かなっていたら最高だったけど、諦めちゃいない」 「まだランチまでだ」とアーソンは言った。「一緒にランチして一緒にやろうと話した。でもお互い忙しかったせいか先延ばしになって。スタジオで試しに一緒にやってみたら楽しいだろう。やってみる」 アンドレとアトランタでランチした07年、バンドは『ザ・ブラック&ホワイト・アルバム』のレコーディングの真っ最中だった。コラボが実現すればアンドレにとっては一種の恩返しになる。アウトキャストのロングセラーの1つはザ・ハイヴスのおかげで生まれたようなものだから。 「彼は俺たちの公演を見て『ヘイ・ヤ!』を作った。俺たちがインスピレーションの元ってわけだ」とデンジャラスは言う(アンドレも06年のローリングストーン誌のインタビューで認めている)。 別のコラボ計画もある。「ハワイで演奏したい。ハワイにはまだ行ったことがない。人間じゃなくて島だけど」とデンジャラスは笑顔で言った。「そう、ハワイとコラボだ」