映画『【推しの子】』前夜祭で、櫻井海音が「怖さから逃げなくてよかった」齋藤飛鳥も「覚悟を受け取っていただけたら幸せ」と万感の思いを告白
赤坂アカと横槍メンゴのタッグによる大人気漫画を実写化した映画『【推しの子】-The Final Act-』(12月20日公開)の前夜祭舞台挨拶が12月19日に丸の内TOEIで行われ、櫻井海音、齋藤飛鳥、齊藤なぎさ、原菜乃華、茅島みずき、あの、金子ノブアキ、スミス監督が出席。主人公のアクアを演じた櫻井が「逃げなくてよかった」とプレッシャーと向き合いながらたどり着いたお披露目の日に、感慨を語った。 【写真を見る】齋藤飛鳥が美しいピンクのドレスで登場 【推しの子】は2020年に週刊ヤングジャンプにて連載がスタートするや、伝説的アイドルであるアイの子どもとして転生するファンタジックな設定とショッキングな描写もいとわないサスペンス要素、“芸能界”という複雑な世界に躊躇なく切り込む他に類を見ない斬新なストーリーに衝撃が走り、幅広い世代に話題沸騰。コミック累計は2000万部を突破している(2024年12月現在)。 このたびAmazonと東映が手を組んで【推しの子】をドラマシリーズ&映画で実写映像化され、映画では物語の始まりである、アイ(齋藤飛鳥)と雨宮吾郎(成田凌)の出会いと転生、そしてついにアクア(櫻井)の復讐劇の行方が描かれる。ドラマ単独初主演&映画初主演として、人気原作の主人公という大役を果たした櫻井。大きな拍手に包まれながらステージに上がり、「感慨深い」と会場を見渡してしみじみ。「撮影していた期間が約1年前。オファーをいただいたのが約2年前になるんですが、その時に感じていたプレッシャーや、これだけの人気作を実写化するということに対しての怖さみたいなものから逃げなくてよかったなと、ここに立ってより強く感じています。いろいろな方にようやくお届けできることが、なによりうれしいです」とすがすがしい表情で語った。 伝説のアイドル、アイという難役に挑んだのが齋藤(飛鳥)だ。一度はオファーを辞退しつつ、強い覚悟を持って演じたアイ役。ドラマの視聴者からは、絶賛の声も上がっている。齋藤(飛鳥)は「ドラマシリーズを観てくださったすべての方に、お礼を申し上げたい」と感謝を伝え、「とてつもない人気の作品ですから、賛否の賛があればうれしいですが、もちろん大きな否はスミスさんをはじめ、スタッフの皆さん、演者の皆さんが覚悟していたと思います」と率直な胸の内を吐露した。「星野アイさんは特別なような気がしている。最強で無敵な人を生身の人が演じるので、撮影期間からいまもずっと緊張の糸は張り詰められている。原作者、原作ファン、初めて【推しの子】に触れる方。すべての方に最大限の敬意を持って、誠心誠意、みんなで作り上げてきた作品。ドラマシリーズでそれが伝わっていたのなら、すごくうれしい。映画でさらにその覚悟が、皆さんになにかしらの形で受け取っていただけたら幸せ」と願いを込めていた。 齊藤(なぎさ)、原、あのは、劇中で「B小町」というアイドルグループを結成する仲間を演じた。あのは「会ったばかりのころは、いまよりもコミュニケーションがなかった。でもすぐに仲良くなれた」と齊藤(なぎさ)、原の方に顔を向けてにっこり。12月27日(金)に放送される音楽特番「ミュージックステーション(Mステ) SUPER LIVE 2024」では、「B小町」として出演することが決定している。齊藤(なぎさ)は「毎回、会うたびに『どうしよう』って言っているよね」と照れ笑いを浮かべ、原も「絶賛レッスン中です!」と報告。齊藤(なぎさ)は「頑張ります!」と力強く宣言していた。 劇団「ララライ」に所属している女優、あかね役を演じる茅島は、原が演じる有馬かなと一緒にバチバチのライバル関係を体現した。茅島は「菜乃華ちゃんとは、序盤に仲良くなることができた」と愛情を傾けつつ、現場ではいつも原が「有馬かなでいてくれた」とも。だからこそ「あかねとして本当にムカつくし、恥ずかしいし、いろいろな感情が出てきた。すごく助かった。待ち時間もいっぱいいろいろなことを話せた」とすばらしい関係を築けたと喜んでいた。 また、この日イベントが行われた丸の内TOEIで舞台挨拶をするシーンが、劇中にも登場しているという。五反田監督役を演じた金子は、「まさにこの舞台だった。こういうシンクロの仕方って、この仕事をしていてもない」と撮影を振り返りながら、同じ舞台に立っていることに感慨深げ。「(撮影から)1年があっという間に経ってしまった。作品が完成して、またみんなでここに立てたのがうれしい。五反田さんもうれしいと思います」と役柄の気持ちも代弁しながら、胸を熱くしていた。スミス監督は「映画はアクアとアイ、ルビー、カミキが、一体なにを最後に残すのかというのが一番の見どころ。本当に、エンドロールがめちゃくちゃいい」とエンドロールまで席を立たずに見届けてほしいと、呼びかけていた。 取材・文/成田おり枝