カワサキ新型「Z7ハイブリッド」 スポーツバイク初ストロングハイブリッド採用と電動化戦略の行方
■システム最高出力69PSのパワートレイン 一方、注目のパワートレイン。まず、エンジンには、451cc・水冷4ストローク並列2気筒を採用。これに4輪車のEVなどにも採用される交流同期モーターをコンビネーションする。また、走行用バッテリーは、50.4Vのリチウムイオン式だ。 エンジンのスペックは、最高出力43kW(58PS)/10500rpm、最大トルク43N・m(4.4kgf・m)/7500rpm。また、水冷式モーターは、最高出力9.0kW(12PS)/2600~4000rpm、最大トルク36N・m(3.7kgf・m)/0~2400rpmを発揮する。そして、これらのマッチングにより、システム最高出力は51kW(69PS)/10500rpm、システム最大トルクは60N・m(6.1kgf・m)/2800rpmを実現している(エンジンやモーターの形式やスペックなども、Z7ハイブリッドとニンジャ7ハイブリッドは同じ)。
ちなみに、Z7ハイブリッドと同じようなクラスとなるNA(自然吸気)エンジン車のZ650は、649cc・水冷4ストローク並列2気筒を搭載。最高出力50kW(68PS)/8000rpm、最大トルク63N・m(6.4kgf・m)/6700rpmを発揮する。エンジン排気量はZ650のほうが大きいが、パワーなどのスペックはほぼ同等だ。また、燃費性能もZ7ハイブリッドとZ650は同じWMTCモード値23.6㎞/L。ただし、燃料タンク容量は、15LのZ650に対し、Z7ハイブリッドは14Lで、やや小さめのタンクを搭載している。
■走行性能・燃費性能について パワートレインのスペックだけを見ると、Z7ハイブリッドは、従来のNAエンジンを搭載したバイクとあまり変わらない印象もある。ただし、走りに関しては、ハイブリッドモデルらしい数々の機能を備える。 まず、トランスミッションには、電子制御6速AT(オートマチック・トランスミッション)を採用。そのため、このモデルには、左ハンドルにクラッチレバーがないだけでなく、通常は左ステップ付近にあるシフトペダルもない。ただし、左ハンドルには、シフトセレクタも備えており、ライダーが任意にギヤを選択して走ることもできる。ハンドル外側にシフトアップ用の「+」スイッチ、内側にはシフトダウン用の「-」スイッチを備える。いわば、4輪AT車のパドルシフト的な乗り方もできるのだ。なお、運転は、MT車も乗ることのできる大型二輪免許だけでなく、AT限定大型二輪免許でも可能だ。