緊急道検証や早期の説明会を松山市に強く提案 城山土砂崩れ巡り県(愛媛)
7月に松山城城山斜面で発生した土砂崩れを巡り、県の吉良美知宏土木部長らが13日、県庁で会見し、松山市が本丸近くに整備した緊急車両用道路の設計・施工の妥当性の検証や、被災した地域住民への説明会の速やかな開催を市に強く提案したと明らかにした。 土砂災害を巡る市の対応に住民から不満の声が続く中、県は市に、被災者に寄り添うよう同様の提案を重ねてきた。自発的な動きが見えず苦言を呈した形だ。 吉良部長は3人が犠牲になった被害の重大性に言及し、県が管理者なら、災害との因果関係が取り沙汰される緊急車両道の妥当性を「当然検証する」と強調した。「県には市を指導する権限がなく、(県と市でつくる)連絡調整会を通じて提案している」と述べ、今後も市に行動を促す考えを示した。 国、県、市、愛媛大で構成する対策技術検討委員会では、土砂災害の発生メカニズムの解析や再発防止策の検討をしている。これまでに3回開き、緊急車両道に関しては委員会の検討事項とせず、管理者の市が検証すべきだとした。 県側は住民説明会について、市が技術検討委の結論を待ち「市として判断できるようになってから説明の機会を設けたい」としている点も疑問視。12日の連絡調整会では「技術検討委の結論を待つことなく、地域住民に丁寧な説明を行うよう市に強く提案した」(吉良部長)という。
愛媛新聞社