「おまち丼さま」北村一輝の表情豊かな演技が光る第1話<おっちゃんキッチン>
北村一輝が主演を務めるミニドラマ「おっちゃんキッチン」が、9月6日より民放公式テレビ配信サービス・TVerとTVer公式SNSで配信開始となった。小さな食堂を舞台に、北村演じる寡黙な店主が様々な女性客の悩みに料理で答える本作。杏花がゲストを務めた第1話を視聴レビューする。 【写真】北村一輝が演じる店主の決め台詞がこの「おまち丼さま」 ■「おっちゃんキッチン」とは TVerとKDDIによるコンテンツ共同制作プロジェクトが始動。 その第一弾作品となる本作は、北村演じる“おっちゃん”店主が営むこぢんまりとした食堂を舞台にした配信ミニドラマ。“おっちゃん”の決め台詞「おまち丼(どん)さま」を合言葉に提供される、心を満たす丼グルメと共に、自身の悩みの解決につながる糸口をその丼から得る若者の姿や、若者たちとの手探りなコミュニケーションを通じて自身の“アップデート”を目指す店主の姿が描かれる。 横型動画をTVerで、縦型動画をTVer公式SNS(TikTok、YouTubeShorts、LINEVOOM、X)で、それぞれ視点の異なるストーリーとして展開される。 ■北村一輝の表情豊かな演技に注目! 第1話のお客さんは、新入社員の女子・美咲(杏花)。上司との関係に疲れた美咲が、帰り道に見つけたのは「おっちゃんキッチン」という暖簾がかかった食堂だった。恐る恐る扉を開けると、店内はこぢんまりとしたつくりで客はまだ一人も入っていない。美咲は戸惑いつつも、店主に案内されるままカウンター席につく。 メニューは数種類のドリンクと、おまかせ料理のみ。お店は高級な佇まいだが、値段は意外とリーズナブルだった。そんなちょっぴり不思議な「おっちゃんキッチン」の店主は学(北村一輝)。どうやら娘との距離感に悩んでいるらしい、48歳の“おっちゃん”だ。学の特徴は何といっても、超絶無口だということ。台詞はほとんどなく、日本を代表する名優の一人、北村一輝が豊かな表情で学の心の声を視聴者に伝えていく。 北村といえば、イケオジの代表格でデキる大人のイメージが強いが、今回演じる学は南蛮漬けのアジをタレに漬けていなかったり、買い出しに行くのを忘れたりとかなり抜けたキャラクター。そのギャップが逆にチャーミングで、必死に誤魔化そうとする姿に思わずふふっと笑いが込み上げてきた。 ■約15分にたくさんの要素が詰まった満足度の高いドラマに 初回のゲストである杏花は昨年、「いちばんすきな花」(フジテレビ系)に松下洸平演じる春木椿の後輩・三谷彩子を好演し、そのスピンオフ作品では主演の一人を担った。また同じ制作チームが手がける「海のはじまり」(フジテレビ系)にも有村架純演じる百瀬弥生の後輩として、杏花演じる同名キャラが登場しており、視聴者の注目を浴びている。 そんな絶賛ブレイク中の杏花の台詞回しも今回の見どころの一つだ。お酒が回ってきたのか、料理を待っている間、学に上司の愚痴を語り始める美咲。量も多く早口で捲し立てるような台詞を杏花は見事にこなしている。WEBザテレビジョンは本作の初回収録に参加させていただいたが、そこでは北村が杏花にアドバイスする場面も。さらには杏花の「上司ガチャ外れた」という台詞に対し、北村が「ガチャってどういう意味なの?」と周囲に尋ねる場面も。 それと同じように学は美咲の上司に対する愚痴から若者の言葉やコミュニケーションを学び、娘との関係作りにも活かしていく。一方、美咲も学が作った温玉のせの豚キムチ丼から厄介な上司も包み込む優しさが大事であることを学び、満足して帰っていくのだった。 約15分で、美味しそうなご飯と北村演じる不器用な店主にほっこりしつつ、若者の本音も知れる「おっちゃんキッチン」。そんな本作は毎週金曜日に1話ずつ更新される。 ■文/苫とり子