南インドでウエスタンの幕が上がる。鬼才の入魂作「ジガルタンダ・ダブルX」
「ピザ 死霊館へのデリバリー」などで知られるタミル語ニューウェーブ映画の鬼才カールティク・スッバラージ監督が、映画撮影に挑む警察官とギャング親分の予期せぬ物語を描いた「ジガルタンダ・ダブルX」が、9月13日(金)より新宿ピカデリーなどで公開される。メインビジュアルが到着した。
1970年代のインド南部タミル地方。血を見ると気絶する小心者ながら警察官採用試験に受かったキルバイは、着任間近に不可解な殺人事件に巻き込まれ、牢に繋がれてしまう。政界にコネクションを持つ悪徳警視ラトナクマールより提示された復職の条件は、マドゥライ地方を牛耳るギャングの親分シーザーの暗殺だった。 キルバイはシーザーに近づくため、サタジット・レイ門下の映像作家だと素性を偽り、クリント・イーストウッドの西部劇が大好きなシーザーを主演とする映画の監督に応募する。そしてシーザーがキルバイを抜擢したことで、二人の運命は思わぬ方向へ。こうして西ガーツ山脈を舞台にした森と巨象のウエスタンの幕が上がる──。
シーザーを演じるのは、ダンス振付師として人気を博し、監督・主演をこなすまでになったラーガヴァー・ローレンス。キルバイ役は、ヒット作連発の監督から性格俳優に転身したS・J・スーリヤー。両者に「グレート・インディアン・キッチン」のニミシャ・サジャヤンが絡む。 1970年代風レトロファンクが炸裂し、激烈な社会批評を含んだドラマがグルーヴとともに巻き起こり、最後に映画芸術への愛が語られる熱き一本だ。
「ジガルタンダ・ダブルX」
監督・脚本:カールティク・スッバラージ 出演:ラーガヴァー・ローレンス、S・J・スーリヤー、ニミシャ・サジャヤン 2023年/タミル語/172分/PG12 原題:Jigarthanda Double X 日本語字幕翻訳:矢内美貴、加藤豊 協力:ラージャー・サラヴァナン 配給:SPACEBOX 宣伝:フルモテルモ ©Stone Bench Films ©Five Star Creations©Invenio Origin