2種目でパリ五輪代表に内定の田中希実、決勝進出&入賞に向け不安な気持ちも吐露/陸上
日本陸連は1日、新潟市内で今夏のパリ五輪の日本代表内定会見を行った。30日に閉幕した日本選手権で新たに内定したのは、6種目(5人)。女子5000メートルで大会前に内定していた田中希実(ニューバランス)は、1500メートルでも参加標準記録を突破して優勝。2種目目の代表内定を勝ち取った。この日は、日本代表の公式ウエアに身を包み、意気込みなどを語った。 【写真】陸上・日本選手権の女子800メートル予選予選に出場した久保凜、田中希実 パリ五輪の代表選考会を兼ねた行われた日本選手権では、800メートル、1500メートル、5000メートルの3種目に出場し、4日間で5レースを走り切り、2種目で五輪の挑戦権を確定させた。ただ、結果とは裏腹に、その心境は複雑だった。「まずとてもうれしいという思いと、パリが楽しみという思いがある。一方で、純粋にタイムや世界との力関係を見たときに、自分の現在地は勝負するにはまだまだの位置と思ってしまっている」。30日の800メートルの決勝で7位にはったあとの取材では、その不安な気持ちがあふれ、涙を流していた。 今後は、国内で高地合宿を実施したのち、ダイヤモンドリーグ・モナコ大会に出場し、最終調整に入る予定。「自分自身も春から成長できたなと実感は得られているけど、私の歩みが亀の歩みのように感じるくらい、世界の動きが早くて、焦る気持ちが今は大きくて。目標を口にするのは怖いくらいの世界のレベルだと思う。ただ、あえて勝負するための具体的な数字示すとすれば、1500メートルは3分55秒、5000メートルは14分20秒を切ることかなと思います。このタイムをきいたときに、皆さんは日本人には無理だろ、と思ってしまうかもしれないですが、世界で勝負するには、そういうところに向かっていくしかない」と決意を口にした。