ECB当局者、さらなる利下げを急ぐことに慎重-再びインフレを監視
フィンランド中銀のレーン総裁は、インフレは向こう1年の間に2%の目標に戻ると予測されていると強調したが、カザークス氏は「勝利はまだ手中にない」として「国内の物価圧力は依然として強い。労働市場が逼迫(ひっぱく)しており、失業率は低い。これが賃金上昇圧力を保っている」と指摘した。
ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は、ECBが金利引き下げについて「自動操縦」になるべきではない」と述べた。スロベニア中銀のバスレ総裁は、ECB声明の「特定の金利の道筋をあらかじめ約束はしない」の一節を繰り返した。
シュナーベル理事も同様に発言。「将来のインフレ見通しが依然不透明なため、特定の金利の道筋を事前に約束することはできない」と述べた
デギンドス副総裁はスペインのラジオ番組で、ECBは大きな不確実性に直面しており、データとECB自身の予測に基づいてで行動すると述べた。
とはいえ、当局者らはすでに、7月の2回目の利下げの可能性は排除し、9月についても疑問視していると、事情に詳しい関係者が明らかにしている。
リトアニア中銀のシムカス総裁はビリニュスで質問に答え、7月の決定について見解を述べることを避け、ECBは今後1、2カ月に得られるデータを見極める「戦略的忍耐」が必要だと述べるにとどめた。
経済動向がECBの予測通りであれば「さらなる利下げが行われるだろう」としながらも、「いつ、どのようなスピードで、どのような軌道で引き下げるかは、様子を見るしかない」と語った。「一定の景気抑制はまだ必要だ」とも述べた。
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原題:Schnabel Says ECB Can’t Pre-Commit Amid Uncertain Price Outlook、ECB Officials Caution Against Any Rush for More Rate Cuts (2)、Makhlouf Says It’s Unclear How Fast ECB Will Carry On, If at All、ECB’s Kazaks Says Any Further Rate Cuts Need to Be ‘Gradual’ (抜粋)
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Aaron Eglitis