川勝知事が電撃辞職へ 問われる県議会ふじのくに県民クラブの責任 度重なる失言も諫言できず 静岡
リニア中央新幹線の開業を延期させることが自らの使命だと思っていたのだろうか?静岡県の川勝平太 知事は4月3日に会見を開き、任期を残して県政を去る理由を述べた。だが、その理由に納得のいった人は少ないだろう。 川勝知事は6月の辞職を希望も…自民・公明会派が早期辞職を申し入れ 知事を支持する会派は乗らず
辞職の理由はリニア新幹線の開業延期
「一番大きかったのはリニア。4期目はリニアの南アルプストンネル工事から水・生態系・環境をいかに守るかということに心を砕いてきた」 川勝知事は4月3日に開いた会見で、任期を1年あまり残しながら辞職する一番の要因としてリニア中央新幹線をめぐる問題をあげた。JR東海が2027年の開業断念を正式に表明したことが大きかったという。
また失言…今度は新規採用職員を前に
事の発端は遡ること2日。 4月1日に行われた県庁の入庁式で、新規採用職員を前に川勝知事が「実は静岡県、県庁というのは別の言葉でいうとシンクタンクです。毎日、毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたりとか、あるいはモノを作ったりとかということと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性の高い方たちです。ですから、それを磨く必要がありますね」(原文ママ)と訓示したことによる。 この職業差別とも受け取れる発言に県庁には苦情が殺到した。
開き直りからの辞意表明
翌2日。川勝知事は一度は報道陣からの取材要請を断るも、幹部職員から「何らかの対応をした方がよい」との助言もあり、囲み取材の場が設定された。 しかし、川勝知事は「職業差別は皆無。職業に貴賤はないというのが基本的な考え方。問題発言があったかのごとき状況になって本当に驚いている」と主張した上で「職種が違うということを言っただけ」と釈明。 さらに、全体の流れを見れば不適切な発言には当たらないとの認識を示し、「一部を取れば職業差別に落とし込むという風なことが出来る発言であったかもしれない。ジャーナリズム、あるいはメディアの質の低下を感じ、誠に残念なこと。切り取られた」と報道陣に批判の目を向けた。 ところが、最後の最後に突如として「どうしたらいいかと思っていて、よく考えたが準備もあるので6月議会をもってこの職を辞そうと思っている」と辞意を表明。 ただ、理由については何も語ることのないまま自室へと戻ってしまった。