厳しさの裏に優しさを秘めた人柄で多くの視聴者に愛されていたピーコさん＝2017年撮影

双子タレント「おすぎとピーコ」の兄でファッション評論家として活躍したピーコ（本名・杉浦克昭＝すぎうら・かつあき）さんが9月3日、敗血症による多臓器不全のため神奈川県内の病院で死去していたことが20日、分かった。79歳だった。葬儀は近親者で済ませた。弟で映画評論家、おすぎ（79）とともにオネエキャラと毒舌交じりの軽快な話術がウケ、バラエティーなどで人気を博したが、近年は認知症を患い、高齢者施設に入っていたという。 【写真】オネエタレントの草分け的存在として活躍していたおすぎとピーコさん 歯にきぬ着せぬ辛口トークとオネエキャラで幅広い世代に親しまれたピーコさんが静かに天国へ旅立っていた。 関係者によると、ピーコさんは数年前から認知症を患い、2021年春に個人事務所を閉鎖。同12月のTOKYO　MX「5時に夢中！」の出演を最後に芸能活動を休止し、昨年6月から高齢者施設で療養していたが、今年8月中旬に敗血症で神奈川県内の病院に入院。9月3日に同病院で息を引き取った。 葬儀は同8日に近親者のみで済ませ、今月19日には同県内で納骨を済ませた。関係者は「テレビに出ているままで表裏がない人でした」と追悼。おすぎは別の施設に入っており、ピーコさんの訃報を伝えたが、「認知症のため認識しているか分からない」と話した。 高校卒業後、アパレルメーカー勤務を経て専門学校に進み、服飾デザイナーになった。1975年、一卵性双生児の弟で映画評論家のおすぎとともに「おすぎとピーコ」としてタレント活動を開始。同性愛者であることを公言し、オネエキャラと辛口ながらも温かみを感じさせるコメントで注目を集め、双子としてワイドショーやバラエティーで人気を博した。 TBS系「3時にあいましょう」で始まった街角の人々の服装にアドバイスを送る「辛口ピーコのファッションチェック」は話題となり、同局系「スーパーワイド」、フジテレビ系「ビッグトゥデイ」など局をまたいで2010年代まで名物コーナーに。 44歳だった1989年には皮膚がんの一種である悪性黒色腫の診断を受けて左眼を摘出し、義眼を入れた。以降、黄色いレンズのメガネがトレードマークとなったが、前向きに活動し、公共広告機構（現・ACジャパン）のCM「アイバンク」に起用された。