ソフトバンク前田悠伍、本拠地デビュー戦の快投にも「1軍を考えたらまだまだ。練習から徹底的にやりたい」ドラフト1位左腕の飽くなき向上心
◆ウエスタン・リーグ ソフトバンク2―3中日(6日、みずほペイペイドーム) ソフトバンクのドラフト1位ルーキー前田悠伍投手(18)=大阪桐蔭高=が、鮮烈な本拠地デビューを飾った。先発して自己最長の6回を散発3安打の無失点。自己最多の77球を投げて無四球で4三振を奪い、最速143キロをマークした。 ■三塁踏ませず!ドラ1堂々の本拠地デビュー【動画】 高校時代は2年春の選抜大会を制し、3年時のU18(18歳以下)ワールド・カップ(W杯)でもエースとして世界一。「世代最強」と称される左腕は「ワクワクした気持ちで投げられた。絶対に抑えるという強い気持ちだった」と、初体験のみずほペイペイドームでの先発マウンドを振り返った。 初回は先頭のクリスチャン・ロドリゲスを131キロのツーシームで空振り三振。辻本倫太郎に左前打を許したが、後続を断った。2回から4回までは3イニング連続で三者凡退。5回は1死から川越誠司に中前打を浴びたものの、鵜飼航丞を二ゴロ併殺。6回は2死からロドリゲスの中前打の後、辻本を二飛に打ち取った。 切れのいい直球とチェンジアップ、スライダーなどの変化球をテンポ良く内外角に投げ分け、中日打線に三塁を踏ませなかった。特に直球に関しては「いつもより真っすぐが強く、バッターの反応を見て真っすぐで押せている印象があった」と手応えを口にした。 松山秀明2軍監督は「投げるたびに彼の良さが出てきている。素晴らしいピッチング。大舞台に強いのかな」とたたえた。一方で2回に一ゴロのベースカバーが遅れたことも指摘。4月20日のウエスタン・広島戦(タマスタ筑後)でも同じミスがあっただけに「絶対にやるべきこと。しっかりやってほしい」と促した。 甲子園の土を初めて踏んだ時と同様の気持ちで臨んだという本拠地初登板。今回の中日3連戦は全てみずほペイペイドームでの開催で「この3日間は練習、試合と経験させてもらい、早く1軍に上がってここで投げたい気持ちにもなった」と改めて強調した。 向上心の強い左腕は今回の好投にも反省を忘れなかった。「今の段階では良かったけど、1軍を考えたらまだまだ。変化球が抜けたり、力を入れた時に若干甘くなったりする部分があった。練習から徹底的にやりたい」。貴重な経験を糧にさらなるレベルアップを図る。(浜口妙華)
西日本新聞社