『光る君へ』“二人で一人”だった安倍晴明×須麻流 ユースケ&DAIKIが涙の最期を振り返る
吉高由里子主演の大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。公式サイト内には出演者の撮影現場からのコメントが聞けるキャストインタビュー動画「君かたり」が公開されている。第32回「誰がために書く」の放送後には、安倍晴明役のユースケ・サンタマリア、須麻流役のDAIKI、赤染衛門役の凰稀かなめ、そしてまひろ役の吉高由里子が登場した。 【写真】白髪も増え、衰弱してしまった安倍晴明(ユースケ・サンタマリア) 第32回では、一条天皇(塩野瑛久)がまひろ(吉高由里子)が書いた物語に興味を示した。道長(柄本佑)はまひろに、娘・彰子(見上愛)が暮らす藤壺へあがり、女房として働きながら物語を執筆することを提案する。そんな折、道長のもとに安倍晴明が危篤だという知らせが入る。 晴明は自らの予言通り、道長が訪れた晩にこの世を去る。第31回では晴明が命がけの雨乞いを行った後、力尽きて倒れた晴明に須麻流が寄り添い、涙を流していたのが印象的だった。第32回でも、須麻流は死の淵にいる晴明のそばで祈祷を続け、道長と言葉を交わした晴明が静かに瞼を閉じると、死を悟ったのかすすり泣いた。兼家(段田安則)の代から藤原家の隆盛を陰で支えてきた陰陽師・晴明とその従者・須麻流の深い関係性がひしひしと伝わってくる場面だった。 晴明を演じたユースケ・サンタマリアはインタビューの中で、須麻流との関係について「僕の大事な相棒っていうか、片割れっていうか、二人で一人っていう感覚でやっていました」「だからDAIKIくんが、須麻流がいてくれたら調子もいいし、ちょっと自信も持てるというか、安倍晴明としてね」とコメントしている。世間では、須麻流が晴明にしか見えていない式神なのではないかという説も出ているようだが、ユースケ・サンタマリアは解釈は見る人の自由としながらも「僕自身は須麻流っていう僕の大事な相棒、右腕、頼りになる相方っていうことでやっていました」と答えている。 須麻流を演じたDAIKIのインタビューも興味深い。DAIKIもまた式神説について触れ、「ほかの共演者の方々と、最後まで目が1回も合っていないんですよね」と明かしている。そんな謎に包まれた従者という役が決まったとき、自分なりの表現力だからこそ、視聴者に色々なことを考えさせることができる、自分だからこそできるという自信が最初に芽生えた、とも話していた。DAIKIは須麻流に対する自分のイメージをつくりすぎずに、「ユースケさんが演じる晴明の親友でもあり、従者」というイメージで最後まで臨んだという。最後の場面については「結局最後親友としての気持ちが強いみたいな感覚でしたけど、あのシーンは」と振り返る。 またDAIKIは最後の場面で、役としての感情のみならず、大河ドラマに携わるスタッフやユースケ・サンタマリアと過ごした日々のこと、大河ドラマ出演にかけた思いなど、あらゆる感情が溢れ出てしまったようで、「最後の最後、本当に泣いちゃいました」とも話していた。 ユースケ・サンタマリアとDAIKIのインタビューを通じて、晴明と須麻流だからこその関係性が改めて感じられる。
片山香帆