「ともしびマルシェ」が最優秀賞 伊勢市、活力創出ビジネスコン 三重
【伊勢】三重県の伊勢市が、地域の活力創出につながる事業やビジネスのアイデアを募った「ISE PITCH CONTEST(イセピッチコンテスト)」の受賞者が決まった。今まで食べられてこなかった「未利用食材」を活用し、付加価値を付けて新たな商品にする事業計画を発表した岐阜市の食品会社「ともしびマルシェ」が、最優秀賞に選ばれた。 コンテストは、市が来年度に迎える市制20周年に合わせ、地域の活性化や課題解決につながる事業の計画を募集した。全国から50件の応募があり、書類審査を経て、10月にあった最終審査の公開プレゼンテーションで受賞者が決定。受賞者には、計画実現に向けた支援として賞金が贈られた。 最優秀のともしびマルシェは、市内のクラフトビール工場の醸造過程で出た「麦芽かす」を活用。廃棄予定の麦芽かすに手を加えて粉末にし、小麦粉の代わりにして焼き菓子を作った。今後、伊勢茶の茶殻や伊勢エビの殻、ミカンの皮など、捨てられるはずの素材を活用した食品や雑貨を商品化し、国内外で販売する計画。 このほど、同社の五嶋達暁社長(30)と、優秀賞を受賞した「Shireru」(東京都)の山田みかん社長(33)が、市役所で鈴木健一市長を訪問した。五嶋社長は、今後、自社工場を伊勢に構える計画だといい「地元の事業者や農業、漁業者と連携し、捨てられてしまうものを魅力に変えて、国内外に発信したい」と語った。 企業や自治体の情報発信を支援するShireruの山田社長は、テレビ局記者だった経験をもとに、自治体が報道機関に発信する資料をデータベース化するシステムを提案し受賞。市出身の山田社長は「生まれ育った地で、受賞し光栄。全国各地で実証実験を重ね、システムを全国に広めたい」と話した。