シャープ、堺本社工場の一部売却 積水化学に、250億円で
シャープは26日、堺工場の一部を積水化学工業に250億円で売却することで合意したと発表した。積水化学は再生可能エネルギー普及拡大の鍵を握る次世代技術として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の生産拠点にする。経済産業省は脱炭素化を推進する補助金の活用を念頭に支援する見通し。 【グラフ】シャープの業績
積水化学はペロブスカイト太陽電池の生産体制拡大が課題だった。シャープから取得する工場で、2027年に10万キロワットの製造ライン稼働を目指し設備投資をする。30年には100万キロワットまで拡充する方針。 積水化学は堺工場での生産に当たり、25年1月にペロブスカイト太陽電池の設計、製造、販売を担う新会社を設立する。 シャープの堺工場では、不採算を理由にテレビ向け大型液晶パネルの生産を8月に完全停止した。今月20日、堺市に保有する液晶パネル工場の土地や施設の一部をソフトバンクが約1千億円で取得する方針も公表。KDDIとも、堺工場を活用した人工知能(AI)向けデータセンターの設立について、25年度の本格稼働を目指す。