フジテレビ、テレ東にも敗北「視聴率最下位」に輪をかける「10分だけサザエさん」の迷走 勝負ドラマも低迷の正念場
■青井実の加入から1か月……『イット!』視聴率は上昇せず
放送6年目に突入したフジテレビ夕方の報道・情報番組『Live News イット!』は4月1日より大リニューアルを実施。 2月にNHKを退局した青井実(43)をMCに迎え、フジテレビの宮司愛海アナウンサー(32)は続投。パックンマックンのパックンことパトリック・ハーラン(53)が「スペシャルキャスター」として週3日レギュラー出演する新体制へと変わった。 「青井さんはNHK在職時に親族の企業から役員報酬を得ていたと報じられ、『イット!』のMC就任時にも疑問や批判の声が上がってしまいましたね。そんな青井さんが加入して1か月が経過しましたが、数字は改善されていません」(前出の制作会社関係者) 夕方の報道・情報番組では日本テレビの『news every.』が1位、テレビ朝日の『スーパーJチャンネル』とTBSの『Nスタ』が2位タイ、少し間が空いて『イット!』が4位という状況が続いてきた。 「『イット!』のリニューアルから1か月が経過しましたが、他局に迫るどころかさらに差をつけられてしまっている感じです。たとえば4月25日の18時台では、『news every.』の個人視聴率が4.0%、『Nスタ』が3.1%、『スーパーJチャンネル』が2.7%、『イット!』が1.9%。 藤井貴彦アナ(52)が抜けた『news every.』の数字が落ちてきていて、『Nスタ』と『スーパーJチャンネル』が猛追している。そんな中、1人蚊帳の外にいるのが『イット!』なんです。青井アナが新キャスターになってからも数字は改善せず、悪化している感すらある。 さらに、ゴールデンウィーク中に18時50分から10分間だけ『サザエさん』を放送したことに対しても、局内から不満の声が上がっています」(前同)
■GW「10分サザエさん」で現場は混乱
フジテレビでは、4月29日から5月3日まで『ゴールデン「サザエさん」ウィーク傑作選』と題し、18時50分から19時まで過去のエピソードを1話ずつ放送した。 「フジ上層部が“GWに『サザエさん』をやろう”と提案し、放送が決定したといいますね。昨今はどこの会社も自社のコンテンツやレガシーを大切にしていこう、となっていますが、フジではそれが『サザエさん』だったということのようです。 たしかにその考えは理解できますよね。日テレでは『名探偵コナン』が通常放送でもそうですし、『金曜ロードショー』で劇場版を放送すればとんでもない視聴率を取りますからね。 フジもそういった流れで『サザエさん』を放送することになったようですが、テレビ各局は今、コア視聴率、つまり若者の個人視聴率を重視していますよね。『サザエさん』は国民的なアニメで、多くの人に愛されている作品ですが、若者向けのコンテンツでは決してない。若い層の視聴者がGW期間中の19時前に、『サザエさん』を見るためにフジにチャンネルを合わせるかというと、それは考えにくいですよね。 案の定、数字はよくなかったといいますし、そもそもこの時間に『サザエさん』が放送されていたことを知らない人も少なくなかったのではないでしょうか」(前出の制作会社関係者) 『サザエさん』といえば、毎週日曜日の夕方6時30分から放送されているものとして日本国民の生活に根付いている。 「内容は昭和を描いていますし、基本的にシニア層が好きな作品ですよね。GW期間中に10分だけ18時50分から編成したところで“誰が見るんだ”、と局内からも指摘する声が出ていたといいます。 『イット!』の放送時間を削っての放送でしたが、たかが10分といえども番組内部はかなり混乱したといいますね。ずっと同じタイムスケジュールで番組を制作してきたにもかかわらず、急遽5日間だけ10分短縮する必要があるわけですからね。日々、取り扱うネタが変わるニュース番組なら、なおさらキツいでしょう。 迷走が指摘されてしまっているフジですが、GW中の『サザエさん』がその代表例だと言われていますね……」(前同) 80年代から90年代前半にかけて「楽しくなければテレビじゃない」のフレーズで隆盛を誇ったフジテレビ。1982年から1993年まで12年連続で視聴率3冠王を達成したこともあった。しかし、今やテレビ東京にも後塵を拝す状況に。 まさに正念場を迎えていると言えそうな同局だが、まだまだ優秀なテレビマンは多くいるはず。その底力を今こそ見せてもらいたい――。
ピンズバNEWS編集部