『うち弁』野間口徹は“最後のキーマン”? 平手友梨奈とは『響 -HIBIKI-』以来の再共演に
蔵前(ムロツヨシ)とコンビになってから、数多くの案件を解決に導けるようになった杏(平手友梨奈)。それに伴って2人の絆もどんどん深まり、杏は蔵前に自分の寝姿を見せるという無防備なことまでできるようになった。そんな『うちの弁護士は手がかかる』(フジテレビ系)も終盤に入っていく。最後のキーマンとなりそうなのが、杏の弁護士としての恩師・椿原(野間口徹)だ。 【写真】『うちの弁護士は手がかかる』村川絵梨インタビュー撮り下ろしカット 第8話で蔵前から「大切な人はいますか?」と聞かれた際に、「椿原先生です」と答えた杏。椿原はまだ学生だった杏に法律を学ぶきっかけを与えたようだ。そこから杏は勉強を重ね、最年少で司法試験に合格することができたのだ。弁護士になる夢を与えてくれた人と言っても過言ではないだろう。椿原と法律の討論をする中で、彼に褒められた杏は「これくらい分かって当たり前です」と返した。ちょっとツンな受け答えをするのは当時から変わらないようだ。 椿原はともすれば生意気に見えてしまう杏をとてもかわいがっており、杏が所属している香澄法律事務所の所長・今日子(戸田恵子)とも知り合いのようで、近々、杏に会いに行けそうだということを電話で連絡していた。だが、どのようなことがあって椿原と杏が出会ったのかはまだ明かされていない。杏は姉のさくら(江口のりこ)と折り合いが悪いが、そのあたりの事情に椿原は関係してくるのだろうか。なんだか重要なことを知ってそうな椿原の本格的な登場が待たれる。 椿原を演じる野間口徹は名バイプレイヤーとして数々のドラマや映画に出演する俳優だ。柔和な顔つきと物腰の柔らかさで椿原のような温かく優しそうな人柄を演じることができる一方、それを逆手に取り、人当たりが良さそうに見えて実際は、不倫やストーカーをしている“ヤバい奴”を演じることも得意としている。 杏を演じる平手と野間口の共演は、平手の初主演映画『響 -HIBIKI-』(2018年)以来となる。この映画で平手は15歳にして類まれな文才を持つ少女・響を演じた。野間口は、響が文学賞の一つである木蓮新人賞を受賞したことをきっかけに彼女を執拗に追いかける週刊誌記者・矢野を演じている。響は歯に衣着せぬ物言いをする上に冗談の通じない性格で自分の考えたことを思いとどまることなく実行するため、周囲とは衝突しやすい少女だった。まるで本作の杏のようである。つまり矢野は、本作に照らして考えると杏にウザがられる側の人間ということになる。平手と共演する野間口の役柄が映画と本作で正反対であることは、野間口が演じられる役の幅広さを物語るものと言えるだろう。平手はこの5年間に『ドラゴン桜』(TBS系)、『六本木クラス』(テレビ朝日系)と話題作に次々と出演し、キャリアを積み重ねてきた。久しぶりの共演となる本作で2人がどのような演技を見せてくれるのかに期待が高まる。 さくらから「杏には弁護士の資格がない」と聞いた今日子は、杏に担当案件を与えず、様子を見ることに。さくらの言葉がどういう意味を持っているのかは謎だが、仕事に対していつも意欲的な杏にとっては辛い状況だろう。しかも蔵前は、どうやら「私は、あなたがいなくても大丈夫ですから」と杏から言われ、香澄法律事務所を辞めてしまったようだ。くらあんコンビの活躍が楽しみなのに、どうしてこうもふたりはすれ違ってしまうのだろう。椿原の登場を前に心配事が多すぎる。
久保田ひかる