堤幸彦監督新作映画Yogibo登場「前代未聞」舞台あいさつに観客大笑い「シュールだなこれ」
堤幸彦監督(68)の新作映画「SINGULA」公開記念舞台あいさつが13日、東京・新宿バルト9で行われた。壇上にビーズ製のソファ「Yogibo」が並ぶ、前代未聞の舞台あいさつとなり、観客の間から笑いが漏れ続けた。 【写真】シュールな舞台挨拶の一幕 作品とYogiboがコラボしており、全編英語で15体15役のAIキャラクターを演じ分けたspi(36)が、コラボ動画にも出演している。それにしても、Yogiboが檀上にある舞台あいさつなど、そうそうなく、観客の間からはスタート時から笑いが起きた。司会が「前代未聞…初めて見ませんか?」と言うと、また客席から笑いが起きた。 spiが「僕は舞台あいさつ、初なんです。これだけ大規模なのは…」と言えば、堤監督はYogiboを見て「シュールだな、これ。本当にリラックスできる」と笑みを浮かべた。そして「不思議なもの。持ち帰って良い? Yogiboに座ると、いっぱいしゃべるな」と上機嫌だった。ドワンゴで専務取締役を務める横澤大輔プロデューサー(42)も「人がダメになるやつ…背筋が伸びる」と笑った。 「SINGULA」は、15体の人間そっくりのAIアンドロイド同士が「人類を破壊するべきかどうか」という究極のディベートを繰り広げるディベートクラブのバトルロイヤル・デスゲーム。たった1人の出演キャストは、2・5次元やミュージカルなどで活躍しているspi(36)で、最新技術によって撮影・編集された15体のキャラクターが一同に競演し交錯する。 原案・原作は、19年2月に舞台で上演されたAI達による討論劇「SINGULA」だが、原案・脚本の一ノ瀬京介(39)氏は6年前に脚本を書いた。撮影はコロナ禍の2年前に行われたが、当時も、人間の生活に入り込んでいなかったチャットGPTを示唆するような内容で、3月に米ニューヨーク・ブルックリンで、そして5月10日に日本で公開され、時代が作品についてきた感を、作品に関わる関係者は持ったという。 一ノ瀬氏は「6年前に書いた本…今、書いたら違うディベートになるくらい、AIが進化して人間の世界に入り込んでいる。AI、アンドロイドを通して人間の尊さを描きたかった」と語った。堤監督は「まず舞台があって、何て不思議かつ刺激的な舞台だと…生演奏、ダンス、色とりどりあった。浮かび上がったテーマに感動し、その場で『映画化した方が良い』と話しました。紆余(うよ)曲折合って『15人、役者がいたけど1人で良いんじゃないか』というの(アイデア)がきた」と製作の経緯を語った。 舞台あいさつの最後のフォトセッションの際も、登壇した4人が列を整えるだけで、Yogiboに座り直さねばならず、観客の間から再三、笑いが漏れる、一種独特の舞台あいさつとなった。