18連敗の暗黒期に抑え転向…黒木コーチが語る益田直也のすごさ ロッテ最多セーブ更新たたえる
◇26日 ロッテ4―1楽天(ZOZOマリン) ロッテの益田直也投手が球団最多記録を塗り替える通算228セーブ目を挙げた。ロッテのブルペンを担当する黒木知宏投手コーチは益田が他の投手よりも抜きんでている点について、肉体面と精神面のタフネスぶりを挙げる。 「一番は体でしょう。長年一線で戦い続けることのできる体の強さ。その体の強さを出せるメンタルバランスの鍛錬が他人より長(た)けていないと、毎年50試合以上投げられない」。毎日の練習でも益田は、他の投手にはない独自のメニューを取り入れているという。 「彼はまず走ります。長い距離を走る。心肺機能を鍛える。スプリントという短い距離で体のキレも出していく。僕が(コーチとして)見るようになったのは去年からですが、その練習のルーティンが去年からほぼ変わらない。人よりも走っている本数が多いですし、汗をかく量も多く見えます。そういものを長年続けてきたんだろうなと。だからあの厳しいポジションも務まるんだろうなと思います」 ロッテで主に先発として76勝を挙げた黒木投手コーチだが、現役時代には今でもプロ野球ワースト記録に残る1998年の18連敗のまっただ中、先発から配置転換されて抑えを3試合経験したことがある。 「僕はどちらかというと急きょだったし、あんまり適性がなくて。僕はあんまり入れ込み過ぎてうまくできなかった部分もあった。(抑えは)入れ込まなきゃいけないんだけど、そこのスイッチのオンとオフをその日その日でちゃんとできるピッチャーじゃないと難しいです。だからそういうとメンタルのタフさというのも彼の中には備わっているんですね」と益田の精神的な強さをたたえる。 「やっぱり27個目のアウトを取らなきゃいけない、締めなきゃいけないピッチャーというのは、ものすごく大きなものを背負わなければいけないわけです。当然それまで投げてきたピッチャーの勝ちであったりとか、野手だったら守ってきた、打ってきたもの、そういった背景があって最後締めなくちゃいけないというものがあるので。それは相当メンタル強くないと厳しいでしょうね」 現役時代に難しさを経験しているからこそ、益田の球団最多セーブ記録を心から称賛した。
中日スポーツ