株主対話支援の収益5割増へ、PBR改善も助言-みずほ信託新社長
(ブルームバーグ): みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ信託銀行は、株主や投資家との対話をサポートする企業向けサービスを強化する。2025年度の関連事業の収益目標を23年度比で5割増とする計画だ。
1日付で社長に就任した笹田賢一氏がブルームバーグとのインタビューで明らかにした。「昨今、アクティビストや機関投資家がいろんな事を求めてくる。ここ数年、非常にお客さまからの課題認識とともにニーズも増えている」という。具体的な収益額についての言及は控えた。
信託銀行は上場企業の株主名簿の管理や株式に関する専門的なアドバイスを提供している。東京証券取引所が株価純資産倍率(PBR)の低い企業に改善を促しているほか、株価が割安に放置されている企業に対するアクティビストファンドによる活動も活発化。上場企業はこれまで以上に株主・投資家との対話を高度化する必要性に迫られている。
みずほ信託ではPBRの改善に向けたコンサルティング業務を昨年度から注力分野として位置付けた。低PBRの企業に対し、向上に向けた道筋をアドバイスするだけでなく、中期経営計画への落とし込みなどの打ち出し方法まで一緒になって考えるという。
笹田氏は「ここについて課題を持っていない会社はない。企業価値向上に向けて寄り添った活動をする」と語った。
また、企業は個人株主との向き合い方もより重要になると指摘。大企業同士が株を持ち合う政策保有株が削減される傾向にある一方、今年から始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)により、個人株主が増えていくと考えられるためだ。個人株主が投資先企業のどういった点に信頼感や愛着心を感じて行動しているのか分析情報を提供していくという。
関連記事:
(c)2024 Bloomberg L.P.
Hideki Suzuki