大谷翔平、メジャー174号で松井秀喜の日本人最多記録王手 クリケットバット効果で最長5戦連続マルチ
◆米大リーグ ツインズ2―4ドジャース(8日・米ミネソタ州ミネアポリス=ターゲットフィールド) 【写真】大谷の妻・真美子さん、応援する姿がカワイイ ドジャース・大谷翔平投手(29)が8日(日本時間9日)、敵地・ツインズ戦に「2番・DH」でフル出場し、3試合ぶりの3号ダメ押しソロを放った。メジャー通算174本塁打で、松井秀喜が持つ175本の日本人最多記録に王手をかけた。二塁打も2本で、自己最長を更新する5試合連続のマルチ安打もマーク。試合前には取材に応じ、好調の裏にある秘密兵器のクリケットバット、真美子夫人(27)への感謝などを語った。 もう誰にも止められない。大谷の勢いが後押しするように、打球もグングン伸びた。1点リードの7回2死走者なしの4打席目。元広島、ロッテの右腕・ジャクソンの真ん中に甘く入ったスライダーを逆方向にはじき返すと、打球角度38度で高々と上がった打球は左中間席最前列に吸い込まれた。 3号ソロは、メジャー通算174号。ついに松井が持つ日本人最多175本に王手をかけた。試合前に「ちょっと特別な数字。早く打ちたい気持ちはもちろんある」と話していた節目の数字。開幕から8戦、40打席本塁打なしと新天地で苦しんでいるように見えたが、「1本出るかどうかというのは全然違う。メンタルの部分で余裕を持って打席に入れるのは大きな違い」と、初アーチから5戦3発と量産している。 勢いを加速させるきっかけもあった。前日7日(同8日)の敵地・カブス戦。2打席目まで今永に抑えられた後、降雨で2時間51分の中断。そこで手にしたのは、球団が練習道具の一つとして用意していたクリケットのバットだった。野球のバットと違い、グリップから先が平たくなっている独特の形状。今永との対戦でフォロースルーで手首の返しが早いのを感じ、「面で捉えて」ボールを運ぶ感覚に修正した。クリケットバット使用後は、7打数5安打のヒットパレードだ。 7回に1号決勝ソロを放ったアウトマンもクリケットバットを練習に導入。ロバーツ監督も「翔平は中堅から逆方向の当たりも出て、抑えるのは難しい。他の選手も秘密兵器でクリケットバットを使うかも」と、相乗効果に期待した。 試合前には約15分間も取材に応じた。新天地へ移籍し、水原一平元通訳が違法賭博関与などの疑いで解雇されるなど大きく環境が変わったことにも言及。激動の日々を過ごしたとあって、真美子夫人や愛犬デコピンの存在に「『ああ、いてくれてよかったな』って思う時はあった」と、感謝の気持ちを打ち明けた。 今季初の“猛打賞”。5試合連続マルチ安打は自己最長を更新し、19安打、7二塁打などは両リーグ通じ単独トップで、日米通算1000安打の節目にもあと4に迫った。打率も3割4分5厘にまで上昇した。試合後は一転、取材対応はなく、日本時間10日のツインズ戦に備えた。伝説のゴジラを一気に抜き去るか。(安藤 宏太) ◆クリケット 羊飼いの遊びが起源とされる英国の国技。インドなどで人気。1チーム11人の2チームが対戦し、交互に守備と攻撃を行う。ウィケット(地面に打ち込まれた木製ポール)が倒されたり、打球をノーバウンドで捕球されたりすると1アウト。10アウトまたは規定投球数(大会によって異なる)に達すると攻守交代。1900年パリ五輪は英国が金メダル。28年ロス五輪追加種目。 ◆大谷の主な記録 ▼5試合連続マルチ安打 自己最長。昨年6月の「4」を更新。日本人最長は昨年6、7月に吉田正尚がマークした「8」。2位はイチローが5度マークした「7」。 ▼7二塁打、19安打、11長打(本塁打3、三塁打1、二塁打7) 両リーグ通じてトップ。 ▼12得点、37塁打 得点は17得点のベッツに続いて両リーグ2位タイ。37塁打もベッツに次ぐ同2位。 ▼1試合3長打 自己最多タイで、22年9月5日のタイガース戦以来2年ぶり5度目。
報知新聞社