「キリンラーメン」新名称募集1万通超。ネットと会場の「総選挙」で決定へ
候補は「ヘキナン」「キリマル」「オガサワラ」の3つ
応募で多かったネーミング案は、キリンを意味する外国語をはじめ、キ・リ・ンという文字の順番を変えたり、そこに一文字をはさんだりしたもの。動物名、方言や地名を入れるなどご当地ラーメンらしさを打ち出したものもありました。 これらを踏まえて絞った候補は3つ。「ヘキナン」「キリマル」「オガサワラ」です。新名称は、この3候補から「総選挙」で選びます。 「変更にあたっては、キリンを想像させるような言葉は一切使うつもりはありませんでした。ところが、寄せられた案にはそれがあまりにも多かったんです。なかには今の商品名そのものを新名称に挙げてくれたケースも。キリンラーメンはキリンラーメンでしょ、と。だから、候補の一つにはキリンのイメージを盛り込み、同様に応募の多かった動物、つまりアニマルという言葉と掛け合わせて『キリマル』にしました。ほかは地元をPRしたい思いから、地名案とシンプルな社名案を選んでいます」。 投票は7月17日13時から31日24時まで小笠原製粉のホームページで受け付けるほか、7月28日には地元・碧南市のイベント会場でも受け付けられます。 「“リアル選挙”の機会を設けたのは、年配の方や子どもさんにも参加してもらうためです。そして何より、地元の人々のご意見を聞き、一緒に考えたいからです。キリンラーメンは昭和40年に生まれ、平成10年に生産中止に追い込まれましたが、地元の人々の要望を受けて、平成15年に地域限定で復活しました。その7年後から、全国に向けて生産再開しています。碧南の人が『食べたい』『好き』と言ってくれたから、今のキリンラーメンはあります」 「誕生、復活、そして今回は3度目のスタート。新たな出発に、ご当地ラーメンを支えてくれた地元の声は欠かせません」 イベント会場では、同社のブースに社員が立って質問に答えたり、名称以外は変わらないと伝えたりするなど、地域の人とコミュニケーションを深めたい考えです。 また、当日18時ごろに途中経過を発表予定で、新名称の行方を見守ることができるかもしれません。 キリンラーメンが生まれて50年を超え、今は次の50年を見据えての出発点。新名称への変更を、仕方のない後ろ向きな選択とするのではなく、「楽しいイメチェン!」にすると同社は意気込んでいます。 さて、どの名称で、今後50年のステージに立つのでしょうか。結果発表は8月1日の予定です。 (南由美子/Newdra) -------------------- ■南由美子(みなみ・ゆみこ)愛知県生まれ。飲料メーカーや編集プロダクション勤務を経てフリーのライターに。中部エリアの地域情報ポータルサイトや、広報誌での食関連記事などの制作に携わる。Newdraのメンバー。