「ネオVシネ四天王」山口祥行 “試合”で身につけた圧倒的実力 50歳超えても衰え知らずのスピード感
「ネオVシネ四天王」の一人に数えられる俳優・山口祥行(53)が、1日公開の映画「ぴっぱらん!!」でトリプル主演を務め、新たなヒューマンバイオレンス作品に挑んだ。ジャパンアクションクラブ出身で“乱闘シーン”のプロフェッショナルらしく、アウトロー3兄弟の長男を熱演。「ノスタルジックで、民族意識、家族愛も入っている。見ている人それぞれの捉え方で肩の力を抜いて見てもらえれば」と作品をアピールした。 【写真】ダンディーで素敵!インタビューに答える山口祥行 50歳を超えても衰え知らずのスピード感。年輪を重ねるごとに、鑑賞者を引きつけるハードアクションを見せる山口に、監督・脚本を務めた崔哲浩氏が熱烈オファーを出して出演が実現した。 格闘相手との階段落ちシーンではスタントを使わず、ほぼ撮り直しなし、ケガなしで撮り切った。苦労話を問うと山口は「ぶっちゃけ、全然、苦労していないですよ。いつもやっていることなので」と笑った。 自身を「瞬発系俳優」と表現する。2017年3月には45歳でジャパンアクションアワードベストアクション最優秀男優賞を受賞しており、スタッフからの信頼は厚い。階段落ちシーンも当日、アクション監督から「ちょっと2人で滑り落ちてくれる?」と電話での一言。二つ返事でOKした山口は「アクションの人たちは自分を『楽な俳優』だと思っていると思いますよ」と苦笑いした。 圧倒的なアクションの実力は、厳しい現場での“試合”を数多くこなす中で身に付けた。「自分は練習では自分の中に取り込めないというか、練習や稽古では味わえない臨場感が現場にはあるんですよ。それはお芝居も。どちらかと言うと現場でものにしてきたので」と言う。 1986年にテレビドラマ「十五少年漂流記~忘れられない夏休み」でデビューし、今年で38年。今では本宮泰風、的場浩司、中野英雄とともに「ネオVシネ四天王」の異名を取る人気俳優となったことに、「恥ずかしいですが、ちょっと名誉ですね」とファンに感謝した。 山口にとって代表作でもあるVシネマ「日本統一」は、本宮とのW主演で2013年にスタートし、自らの想像を超えるほどの大人気シリーズとなった。大企業経営者から激励も受け「ありがたいことに、楽しんで見てると言ってくださったりして、うれしいですね」と相好を崩した。 多彩な役をこなす山口だが、任侠シリーズへの思いは強い。「自分はこの役が好きですから。世間一般では分からない役をやらせてもらって楽しいです。『日本統一』も、何で人気がでたか分からないですけど、一生懸命続けたことが第一かなと」。厳しい格闘シーンも全身全霊を傾け、どこまでも前向きに役者道を突き進む。 ◇山口祥行(やまぐち・よしゆき)1971年8月6日生まれ。東京都出身。86年にTBS系ドラマ「十五少年漂流記 忘れられない夏休み」で俳優デビュー。2003年には映画「新 影の軍団シリーズ」に出演。17年に小沢和義監督の映画「覇王」に主演し、同年には北野武監督の映画「アウトレイジ最終章」、20年には映画「罪の声」に出演した。特技は韓国語。身長178センチ。血液型AB型。