男性にとっては恋心、でも女性にとっては…視点が変わると恐怖に。大反響のマンガが問う「理系大学」での男女間のヒビ
男性にとっては、淡い恋心だった。相手を素敵だと思えばこそ、ちょっとした交流がうれしく、想いは募る。しかし女性の側は、男性の視線に、言動に、距離の取り方に違和感を覚えていた。それがうっすらとした恐怖に変わっていく――。 【マンガ】男性側と女性側から見えているものはこんなにも違う…『先輩は綺麗な人だった』を読む 理系女ちゃん(@rikejo_chan)さん(以下、敬称略)が今年2月にX(旧Twitter)で発表した『先輩は綺麗な人だった』が、大きな反響を呼んだ。ひとつの出来事をめぐって、男性側から見えているものと、女性側から見えているものは、こんなにも違う。 ストーカーやセクハラにおいて、「恋愛だと思っていた」「加害するつもりなどなかった」というのは加害者の常套句(じょうとうく)だ。おそらく本気でそう思っている。これも、見えている世界が違うから起きていることではないか。相手とのコミュニケーションがすれ違っていることに気づかず、気持ちを押し付け、行動に移す。 本記事では、『先輩は綺麗な人だった』を全篇掲載。コミュニケーションの問題からくる恋愛トラブルや、ハラスメントについて、著者の理系女ちゃんに話をうかがった。 理系女ちゃんはこれまでにも、大学、大学院の理系学部や研究室における男女間、特に恋愛をめぐるコミュニケーションの齟齬(そご)をテーマに漫画を描き、Xに投稿してきた。そこには、理系の学生に特有の問題もあれば、どこででも起きうる問題もある。 『先輩はきれいな人だった』では作中でも、男性側の対人関係における経験不足が指摘されている。理系男性はよくコミュニケーション能力が低いといわれ、当事者が自虐的にネタにすることもある。 ――実際、コミュニケーションに問題はあると思われますか? また、理系の女性に同様の問題はないのでしょうか? 理系女ちゃん:コミュニケーション能力といってもいろいろあるかと思いますが、ここでは対人調和力に焦点を当てます。理系男性のコミュニケーション能力が低いと言われるのは、社会に出た後、単にそういった男性が目立ちやすいからだと思います。理系女子も対人コミュニケーション能力が低い傾向があると感じますが、そもそも母数が少ないため目立たないのでしょう。